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区議会での質問

2014年第3回定例会代表質問

川村 のりあき 一般質問

 
1 区長の政治姿勢について
2 2013年度決算と区民生活の支援について
3 国民健康保険について
4 医療介護総合法と高齢者福祉の充実について
5 待機児童解消と子ども・子育て支援新制度について

 

◆8番(川村のりあき) 日本共産党区議団の川村のりあきです。第3回定例会に当たり、会派を代表して区長並びに教育委員会に質問します。よろしくお願いします。
 8月20日に発生した土砂災害で、広島では死者・行方不明者74名、家屋の損壊や浸水も広範囲で起こるという甚大な被害に見舞われました。7月の長野県の土砂災害以降、全国各地で土砂災害や水害が発生しました。亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げ、以下、質問に入らせていただきます。
 初めに、区長の政治姿勢について伺います。
 私は8月6日、議会を代表して広島の平和記念式典に参加し、平和への思いを新たにしてまいりました。集団的自衛権行使容認の閣議決定後に開催されたことしの広島・長崎の両式典は、閣議決定に対する懸念や批判が表明され、安倍首相と被爆者との懇談で厳しい批判と閣議決定撤回を求められたことが特徴的でした。特に長崎の田上市長が憲法の平和主義に触れ、「『戦争をしない』という誓いは被爆国・日本の原点であり、被爆地・長崎の原点でもある」と述べ、「平和の原点が揺らいでいるのではないかという不安と懸念が急ぐ議論の中で生まれている」と語ったことは、十分な議論を経ないで憲法解釈を変更したことを痛烈に批判したものでした。
 区長は、第2回定例会の我が会派の集団的自衛権行使に関する質問に対して、「国民の間でさまざまな意見があり」、「国の安全保障に係る重大な方針変更については、政府が国民に対して十分に説明責任を果たすとともに、広範な議論が喚起されるような状況をつくっていくことが大切」で、「丁寧かつ慎重な対応を図ってほしい」と答弁されました。
 7月1日の閣議決定後に行われた新聞各社の世論調査では、安倍内閣の支持率が下がり、不支持は上昇しました。集団的自衛権の行使容認については、反対・評価しない・よくなかったが50%前後に対して、賛成・評価する・よかったが30%台でした。この数字は、国民が納得していない中で閣議決定したことを端的に示しています。区長は、政府が説明責任を果たし、丁寧かつ慎重な対応をした上で閣議決定したとお考えですか。前回の答弁も踏まえてお答えください。
 区長の学生時代の恩師である一番ヶ瀬康子氏は、憲法9条を守る科学者の会の設立発起人の一人であり、同会は改憲反対の国民運動を呼びかけています。教え子である区長は、全国的に高い評価を得ている平和マップの作成、吉永小百合さんが出演した「平和のつどい」など平和行事の開催、平和首長会議に参加して「核兵器禁止条約の交渉開始などを求める署名」に取り組むなどしてこられました。区長なりの平和の願いの具現化と受けとめ、私どもも評価をしてきたところです。こうした取り組みは集団的自衛権行使容認とは相入れず、閣議決定に賛成することは大きな矛盾と考えます。改めて集団的自衛権行使に反対を表明すべきと考えますが、いかがでしょうか。お聞かせください。
 第2に、国連人種差別撤廃委員会が出した最終見解に関する中山区長の認識を伺います。
 2012年から新宿区内では、聞くにたえない人種差別的な言葉や暴力的な表現による反韓・嫌韓デモが繰り返され、人々に不安感や嫌悪感を与えています。また、インターネットの世界でも、韓国・朝鮮人に対する脅迫的な発言・人種差別的な言葉が数多く発信され、差別意識を助長する状況は、今や日本国中に蔓延していると言えます。また、慰安婦問題を否定したり疑問視する発言も、テレビやインターネット等、各種のメディアを通して繰り返されている状況にあります。
 このような中、地方議員の組織である「慰安婦像設置に抗議する草莽全国地方議員の会」という組織が、昨年9月に米国内の慰安婦像撤去を求める「抗議文」をオバマ大統領などに送りました。「慰安婦は、当時世界で一般的であった公娼制度のもとで働いていたもので、高額な給与が払われていた」、「強制的に売春行為を強いられた歴史的な事実は存在しません」と書かれています。また、日本会議国会議連所属の国会議員が、慰安婦問題で旧日本軍の関与を認め公式に謝罪した1993年の「河野談話」の検証や見直しを政府に求め、政府は検証しましたが、6月20日、菅官房長官は検証結果を国会に提出し、河野談話の見直しは行わないことを表明しました。
 こうした中、8月29日、国連人種差別撤廃委員会が日本における人種差別撤廃条約の遵守状況に関する最終見解を発表し、ヘイトスピーチの規制と慰安婦問題について日本政府に勧告してきたことは記憶に新しいところです。この最終見解は、ヘイトスピーチについて法的規制を行うことや、ヘイトスピーチを行った責任者や発言した政治家などへ制裁を加えることを言及しています。また、「慰安婦」問題についても、日本政府による実態認識や被害者への謝罪、補償が不十分だと懸念を表明した上で、人権侵害の責任者の処罰、謝罪と補償による「慰安婦」問題の永続的解決、「慰安婦」問題を否定する試みを糾弾することも日本政府に求めています。今や日本国内に差別的な意識は蔓延しつつあり、さきに述べた「抗議文」は、「慰安婦」問題を明確に否定する試みであると考えます。こうした動きが国内で繰り返されている中で国連人種差別撤廃委員会が出した最終見解について区長はどう評価しますか。見解を伺います。
◎区長(中山弘子) 川村議員の御質問にお答えします。
 区長の政治姿勢についてのお尋ねです。
 初めに、集団的自衛権についてです。
 今回の集団的自衛権行使の閣議決定については、その後の報道や世論調査を見る限りでは、丁寧かつ慎重な対応という点で十分でなかったと考えています。自治体の長として、今後国会で進められる法案審議を注視してまいりますが、さまざまな国民の意見がある中で、国の安全保障に係る重大な方針変更について、政府は引き続き国民にわかりやすく十分な説明責任を果たしていくことが必要であると考えます。
 次に、国連人種差別撤廃委員会の最終見解に対する区の評価についてのお尋ねです。
 御指摘のとおり、人種差別撤廃委員会の最終見解では、ヘイトスピーチに対して「刑法を初めとする法律改正を行う」ことや、「インターネット等、メディアを使ったヘイトスピーチに対して、適切な対応をとる」ことなどの勧告がなされています。
 国籍や民族の異なる人々が互いの文化的違いを認め、理解し合い、ともに生きていく多文化共生のまちづくりを推進している中で、ヘイトスピーチが繰り返されることは残念なことです。人種差別撤廃委員会の見解を受けとめ、法規制を含めた国の対応についてしっかりとした議論が必要と考えます。
 また、従軍慰安婦についてですが、従軍慰安婦問題は、多くの女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題と認識しており、深い反省に立ち、二度と繰り返してはならない問題と考えております。
 8月に出された最終見解では、これらとあわせて移住労働者や人身取引、アイヌ民族の状況等、さまざまな人権問題に対する所見が述べられています。この最終見解には法的拘束力はないものの、人種差別撤廃条約の加入国として誠実に対応していくことが大切と考えます。
◆8番(川村のりあき) 次に、2013年度決算と区民生活の支援について質問します。
 第1は、2013年度決算の評価についてです。
 2013年度は、安倍内閣が発足し、アベノミクス3本の矢のデフレ対策が打ち出されるもとで、一部大企業が収益を上げてはいるものの、多くの区民が景気回復を実感するにはほど遠い状況で、震災対策の強化や待機児童解消、高齢者施策の充実などさまざまな課題があり、区長は、将来にわたり健全な区財政の確保を基本に、直面する課題に重点的に取り組み、これからも区民が安心して暮らせる施策を着実に推進する予算として編成されました。
 2013年度決算は、実質単年度収支が4年連続赤字から黒字へ転じ、経常収支比率も88.9%から86.5%と減少し、これまでも健全だった区財政はさらに財政力が増していると言えます。歳入が前年に比べふえた要因としては、1月1日現在の人口が3,100人ふえ、納税者人口も4,567人ふえたことなどにより特別区民税が9億2,000万円の増、特別区たばこ税が東京都からの税源移譲により5億4,000万円の増、利子割交付金、配当割交付金、株式等譲渡割交付金により6億円の増となっていますが、これはアベノミクスによる株価上昇と一部企業の収益のよさの反映です。納税者人口の増加も、都心回帰でマンション建設が進み、共働き世帯などが流入してきことが一因ですが、そのことは歓迎すべきこととしても、同時に保育園など新たな行政需要も生まれています。
 区長は、2013年度決算についてどのように評価され、また、今後の財政見通しをどのように見込んでいるのかお答えください。
 今後、安倍政権は、増税や社会保障制度の改悪を行おうとしており、区民生活は厳しさを増すことが予想されます。区財政が堅調であるならばなおのこと、区民生活の実態に沿った支援策を講じていくことが必要です。
 そこで、第2の質問は、区民生活の実態についてです。
 私ども日本共産党区議団は、毎年区政アンケートに取り組んでいますが、既に1,680通の回答が寄せられ、現在1,380通まで集計が進んでいます。暮らしに関する設問では「年金が引き下げられましたが、あなたの生活に影響は出ていますか」の質問に対し、「影響が出ている」が52.8%、「住民税や健康保険、介護保険の負担についてどう思われますか」には、「これ以上負担に耐えられない」が60.2%となっています。自由意見でも「年金の引き下げと消費税の増税により、今までとっていた新聞をやめたり食料の量を減らしたりしています(70代女性)」、「今後、30年から40年後の生活に影響があり、生活が保障されなくなることを懸念(20代男性)」、「そもそも年金が受け取れるのか心配。独身だからといって税金を高くされることは困る。お金がないので余計一人でじっとするしかない(30代女性)」など、切実な声です。区長は、区民生活の実態をどのように認識しておられるのか伺います。
 第3は、消費税10%への増税をストップさせることです。
 先日、私どもが商店会連合会の役員の皆さんと懇談させていただいた際にも、「消費税増税分を価格に転嫁できた商店は20%ぐらいではないか。増税で物が売れなくなっている」というお話を伺いました。
 内閣府発表の4月から6月期の国内総生産(GDP)は、前期比年率マイナス7.1%で、特にGDPの6割を占める家計消費は年率マイナス19.0%と、前回の消費税増税直後、1997年4月から6月期、13.2%減を超え、過去20年で最悪でした。ことしの第1回定例会の代表質問に区長は、「安定財源の確保は避けられない課題であり、消費税の税率を引き上げる政府の決定については一定の評価をしています」と答弁されました。しかし、区民の声は、私どもの区政アンケートでも圧倒的に増税反対が多く、先日NHKが行った世論調査でも、「消費税増税について安倍首相はどのような判断をすべきか」という問いに、「予定どおり来年10月、10%に引き上げる」が21%、「引き上げの時期をおくらせる」が37%、「引き上げを取りやめる」が36%でした。こうした世論を区長はどう思われますか。区民生活を守るべき区長として、消費税10%への増税は中止するよう国に要請すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 第4は生活保護についてです。
 生活保護には、2014年7月現在9,152世帯、1万527人、保護率31.6パーミルで、2010年は保護率28.7パーミルでしたから、この5年間を見ても生活の困窮度が増しています。昨年8月、生活保護基準の引き下げによる影響は、減額された世帯が95%で、保護の廃止、停止は7世帯でした。削減は3年間実施されることとなっており、来年度もさらに影響が広がることが懸念されます。削減による区民生活への影響の大きさを見るならば、これ以上の引き下げはやめるよう国に要請すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第5は、クーラーの設置費用についてです。
 ことしも30度を超える猛暑日が続き、熱中症で入院された方も多数いました。クーラーのない生活保護世帯にとって大変厳しい夏で、「昼はシニア館にできるだけ行くようにしている」などの声を聞きましたが、行くこと自体が困難な方もおられます。熱中症で救急搬送された方は、区内で昨年(5月から9月)、147名、ことしは76名(8月31日現在)となっています。
 生活保護世帯に対するクーラー設置費用の貸し付け制度は2011年度から始まり、この間、実績は12件、借りられるのは保護費のほかに年金や就労などの収入がある世帯に限られていましたが、今年度からは制限がなくなり、誰でも借りられるようになりましたが、実績は2件です。この制度について周知すべきではないでしょうか。対象が拡大された反面、年金や就労などの収入を収入認定から除外し、事実上補助されていたのが実際に返済しなければならない制度になってしまったため、そもそも削減された保護費の中から毎月5,000円の返済は厳しく、借りられないというのも実態です。2011年に東京都が行っていた上限4万円のクーラー設置費補助を復活するよう東京都に求めるべきです。それが実現するまでの間、新宿区が助成すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 第6は、就学援助についてです。
 生活の困難さは就学援助児童生徒認定数にもあらわれています。2014年7月31日現在、就学援助を受けている小・中学生は2,703人、約25%で4人に1人となっています。第2回定例会で「就学援助については、来年度以降も削減前の保護費を基準にするようにすべき」との質問に対し、「今後の就学援助の対象については、現行の基準をもとに景気の動向や社会状況などを踏まえて検討していきます」との答弁でした。来年度も引き続き削減前の基準を適用すべきですが、どのように検討したのかお答えください。
 あわせて、就学援助の項目を追加することについての提案です。
 文部科学省が行った2012年の調査で、子どもの視力低下が過去最悪となり、パソコンや携帯電話など電子メディアの利用時間がふえていることが要因と見られているとの報道があるように、眼鏡を使用する小・中学生がふえています。墨田区では1972年当時、カラーテレビの普及で子どもの視力が低下し、眼鏡を使用する子どもがふえたことをきっかけに、眼鏡の購入費を就学援助の対象とし、現在でも2万200円を限度として援助しています。新宿区の2013年度の検診結果によると、眼鏡の使用率は小学校6年生22.8%、中学3年生26.7%となっています。子育て世帯の支援策として、新宿区としても眼鏡購入費を就学援助の対象とすべきではないでしょうか。
 以上、答弁願います。
◎区長(中山弘子) 平成25年度決算と区民生活の支援についてのお尋ねです。
 まず、決算の評価と今後の財政収支見通しについてです。
 平成25年度は、震災対策の充実強化など緊急性が高い区政課題に的確に取り組むとともに、適宜予算の補正を行い、区民の健康や安全・安心の確保のため、緊急風疹予防対策や本庁舎免震改修工事等の防災対策の充実強化、保育所建設事業助成などの待機児童解消緊急対策など、緊急性が高く重要な課題に迅速に対応してまいりました。
 予算の執行に当たっては、特別区税等の歳入確保や支出における経費節減に努め、第二次実行計画事業を初め、予定された諸事業の着実な推進を図ることができたものと考えております。
 平成25年度の決算は、生活保護費などの扶助費が引き続き増となったものの、執行面での経費節減に加え、企業収益や雇用情勢が改善したことで、特別区民税や特別区交付金などの一般財源が増となり、実質単年度収支は5年ぶりに黒字に転じることができました。しかしながら、経常収支比率は依然として適正水準を超える86.5%であり、財政構造が硬直化していることを示しています。また、基金残高は平成20年度末の608億円から43%減となる346億円まで減少しています。財政構造の硬直化や基金残高が減少していることから、引き続き財政基盤の強化に徹底して取り組むとともに、効果的・効率的な行財政運営により、さらなる財政規律の確保に努めていくことが極めて重要であると考えています。
 また、今後の財政見通しについては、消費税率10%への再引き上げや高齢化の進行に伴う扶助費等の増など、本区を取り巻く社会経済状況の変化が著しいことから、現段階で見通すことは難しいところですが、社会保障・税一体改革の状況や直近の景気動向等の情報をもとに平成27年度予算を編成するとともに、第三次実行計画を策定する中で計画期間中の財政収支見通しを明らかにしてまいります。
 次に、区民生活の実態についてのお尋ねです。
 8月の政府月例経済報告では、「景気は、緩やかな回復基調が続いており、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつつある」とする一方で、「駆け込み需要の反動の長期化や海外景気の下振れなど、我が国の景気を下押しするリスクに留意する必要がある」と指摘しており、我が国の経済の先行きは依然として不透明な状況です。また、原油価格の上昇や円安による原材料費の高騰に伴う食料品の値上がりなど、今後も区民の暮らしへの影響が懸念されます。このため、区民生活については楽観視することはできず、慎重に見きわめていく必要があるものと認識しております。
 次に、消費税率の引き上げについてのお尋ねです。
 内閣府が発表した四半期別GDP速報では、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動により、4月から6月期の景気が大きく落ち込みました。7月から9月期の景気についても、悪天候の影響等もあり、期待された回復よりも下回ることが想定されています。今回の消費税率の引き上げをめぐるNHKの世論調査の結果は、こうした厳しい経済状況に対する国民の意識が反映されたものと考えています。
 少子高齢化の急速な進展や、国・地方ともに厳しい財政状況のもとで持続的な社会保障制度を構築し、その安定財源を確保する観点から、消費税率の引き上げを行うことは必要であると考えますが、再引き上げに当たっては、厳しい地域経済の状況に配慮するとともに、国・地方を通じて経済状況を好転させる必要があります。また、消費税の逆進性を踏まえた低所得者対策の必要性について全国市長会を通じて要望しているところであり、現段階で消費税率の再引き上げの中止を国に要請する考えはありません。
 次に、生活保護についてのお尋ねです。
 今回の生活保護基準改定のうち、生活扶助基準については、社会保障審議会生活保護基準部会の検証結果を踏まえ、年齢、世帯人員、地域差の3要素による影響を調整するとともに、平成20年以降の物価下落を勘案して見直されています。また、激変緩和措置として改定幅の限度が10%となるよう調整され、平成25年から3年間かけて段階的に実施されているものです。2年目に当たる本年4月の改定では、平成26年度の民間最終消費支出の見通しの伸び等も総合的に勘案し、プラス2.9%の改定率が盛り込まれました。
 今回の生活保護基準の改定については、一般の低所得世帯と均衡を図る適正な判断がなされたものと考えています。したがって、生活保護基準の引き下げをしないよう国に要請することは考えておりません。
 次に、クーラーの設置費用についてのお尋ねです。
 ここ数年猛暑が続き、熱中症になる方が少なくない状況もあるため、ケースワーク業務の中で貸し付け制度をお知らせしています。
 クーラー設置費用の補助制度復活については、昨年度東京都に対し補助協議を行いましたが、生活保護制度で保障される最低生活費については、国の責任において基準を定め、その基準に基づいて適正に支給すべきものであり、クーラーの購入設置費用についても導入と考えるとの理由で承認されませんでした。国に対しては、東京都を通じ毎年要望をしているところです。区独自の対策については考えておりませんが、国と東京都に対して引き続き要望してまいります。
◎教育長(酒井敏男) 教育委員会への御質問にお答えします。
 初めに、来年度に向けての就学援助の所得基準の検討状況についてのお尋ねです。
 平成26年度の所得基準については、生活保護基準の引き下げが行われる前の基準額をもとに実施しており、生活保護基準の見直しの影響が及ばないよう配慮をしています。また、来年度以降の対応については、消費税の増税の影響を含めた景気の動向、生活保護基準の次回の改定の状況などをしっかりと把握し、社会経済の状況を踏まえて検討していく必要があると考えています。
 次に、眼鏡購入費を就学援助の対象品目に加えることの御提案についてです。
 就学援助の対象品目には医療費がありますが、これは感染性や学習に支障を生ずるおそれのある疾病について、その治療のための費用の援助を行うこととされている学校保健安全法に準じたものです。この学校保健安全法においては、視力低下は治療費の対象となる疾病に含まれておりません。こうしたことから眼鏡の購入費を就学援助の対象とはしておりません。
◆8番(川村のりあき) 次に、国民健康保険について伺います。
 第1回定例会の代表質問では、保険料率の値上げが区民生活に大きく影響することを指摘し、持続できる国民健康保険制度にするため広域化に反対するとともに、国と東京都への財政支出を求めました。さらに事態が一層深刻になっていることは、さきの質問で示したとおりです。保険料決定通知書を発送後、2週間の間に2,775件の問い合わせがあり、「保険料が高いのはなぜか」、「分割納付の相談をしたい」との声が多く出されています。厳しさを増す区民の暮らしに寄り添った国保行政を求め、以下、質問をします。
 質問の第1は、資格証明書の発行と、「納付相談におみえにならない方」への働きかけについてです。
 経済状況の悪化と保険料の引き上げで、平成25年6月1日現在の滞納世帯は3万3,757世帯であり、平成25年10月1日現在の資格証明書の発行は3,952人に上っています。昨年の第2回定例会で、国民健康保険料の資格証明書発行が一気にふえ、区民の健康や受診の権利を脅かす問題と質疑しました。その際、区長からは「相談に結びつけば、ほとんどのケースは分納や無収入の申告により、一般証や短期証に切りかえられたと手応えを感じております」としましたが、「納付相談にお見えにならない方の実態把握については課題の一つと考えており、今後どのような方法が効果的で効率的なのか検討してまいります」とのお答えでした。納付相談に来られない方の中には、ダブルワークやトリプルワークをしており相談に来られない方や、通知について理解できない方も、私が御相談を受けた方の中にもいらっしゃいましたが、深刻な生活実態の方も多く、区長のいう「いのちのネットワーク」を行き届かせなければならない方ではないでしょうか。
 そこで区長に伺います。「納付相談におみえにならない方」へのこの間の検討・働きかけの取り組みの状況についてお聞かせください。
 質問の第2は、差し押さえについてです。
 資格証明書の発行の次に来るのが差し押さえです。差し押さえについては、2013年11月27日の広島高裁の判決で、いわゆる児童手当差し押さえ事件の判決確定がありました。これまで1998年の最高裁の判例で、これは国民年金等でしたが、銀行口座に振り込まれた時点で金融機関に対する預金債権に転化して受給者の一般財産となり、差し押さえ禁止債権としての属性は承継しないという判決がありました。これは新宿区を含め全国の徴税・徴収業務における差し押さえの錦の御旗とも言える判例でしたが、今回の広島高裁の判決では、自治体側が依拠していた最高裁判決を踏まえた上で、「児童手当は預金となった後も差し押さえ禁止債権としての性質を引き継いでいる」という明確な論理で違法が確定となりました。当時の新藤義孝総務大臣からも、「本判決後、本事例の概要等については、地方団体における事務の参考になるよう直ちに情報提供をいたしまして、高裁判決の内容についての周知を図っております」との参議院予算委員会での答弁がありました。差し押さえを禁止する財産としては児童扶養手当や年金なども含まれます。
 そこで区長に伺います。広島高裁の判決についてどのように受けとめますでしょうか。また、広島高裁の判決に基づいて差し押さえについては慎重を期し、「納付相談におみえにならない方」への配慮など事前の相談をもって対応すべきと考えますが、区長の考えをお聞かせください。
◎区長(中山弘子) 国民健康保険についてのお尋ねです。
 まず、納付相談におみえにならない方への対応についてです。
 区では、これまでもさまざまな御事情から保険料の支払いについてお困りの方に対しては丁寧な対応を心がけてまいりました。保険料をお支払いいただけない場合、まず督促状を送付し、その後、電話番号のわかる方へは電話催告センターから「お支払いのお願い」の連絡をしています。また、職員による年4回の夜間電話催告を実施し、さらに年3回催告書をお送りして納付をお願いしています。
 平成26年度から、平日は仕事でお忙しい方のために休日納付相談日をふやし、相談日も休日開庁日に合わせるなどの工夫をした上で毎月実施し、納付相談環境の整備に努めております。
 次に、広島高裁の判決と差し押さえについてのお尋ねです。
 広島高等裁判所松江支部の判決については、滞納処分を行う際、十分配慮しなければならない司法判断であると認識をしております。また、滞納処分については、これまでも滞納者の方々の生活状況に配慮し慎重に行っているところです。
 差し押さえについては、滞納者の方々の日常生活に大きな影響を及ぼす場合がある一方で、被保険者間の負担の公平性を確保する点からも重要な取り組みです。したがって、今後も滞納者の方々の生活実態に配慮し、より丁寧に取り組みながらも、国民健康保険制度の安定的・継続的な運営を確保するために必要な取り組みとして進めてまいります。
○議長(おぐら利彦) ここで、議事進行の都合により休憩いたします。
△休憩 午前11時58分
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△再開 午後1時15分
○議長(おぐら利彦) ただいまから、会議を再開します。
 質問を続行します。
◆8番(川村のりあき) 次に、医療介護総合法と高齢者福祉の充実についてです。
 安倍政権は、さきの通常国会会期末寸前の6月18日に、いわゆる「医療介護総合法」を強行成立させました。この法律には高齢者を介護サービスから外す問題点があり、全国210の自治体から異議ありの意見書が出されていました。
 医療介護総合法の最大の問題は、要支援者向け介護サービスの切り捨てです。5月末現在、区内の介護認定者は1万2,522人、うち要支援1・2の方は4,232人で約3分の1になります。そして、要支援認定された方のうち69%に当たる2,933人が介護予防サービスを利用しています。その要支援者の8割近くが利用している「訪問介護」と「通所介護」を保険給付から外し、市区町村が行う地域支援事業に移行させることに批判が集中しました。
 そこで、最初に要支援者の介護サービスについて伺います。
 第1に、要介護認定の申請権を確保することについてです。
 新宿区では要支援者がふえる傾向ですが、厚生労働省は、要支援者の数を減らせば「専門的サービス」を受ける人の割合を減らせると考え、そのためのツールとして考えられたのが「基本チェックリスト」です。新規の認定申請や更新の際に、区や高齢者総合相談センターの職員に「要支援相当」と判断されると、「基本チェックリスト」の簡易な25の質問項目への回答だけで要介護認定を省略し、地域支援事業サービスを割り振ることが可能となります。要は、認定申請の機会を奪い、水際作戦で要支援者を減らすための対策です。区としては、仮に「基本チェックリスト」を活用するにしても、認定の申請権があることを明確に伝え、申請の権利を奪うことがないようにすべきです。見解をお聞きします。
 第2に、「地域ケア会議」についてです。
 区は、高齢者保健福祉計画及び第6期介護保険事業計画案の中で、「地域ケア会議」は、「個別事例の検討を通じて多職種協働によるケアマネジメント支援を行うとともに、地域ネットワーク構築につなげるための会議」と位置づけています。また、新宿区のように事業者に運営を委託している場合は、任せっぱなしにならないよう、区が委託方針を示すことが法により義務づけられています。
 ところで、厚生労働省が2012年度、2013年度の2カ年で全国13の自治体で実施したモデル事業では、「地域ケア会議」が要介護2以下の介護計画に介入し、「同意」の形をとりながらリハビリ・体操などの予防事業に切りかえ、事実上の介護サービスの縮小、停止を促しました。これは、「地域ケア会議」が自立支援に名を借りて組織的に介護サービスの打ち切りを促し、要支援者、要介護者を保険から追い出す仕掛けです。
 新宿区では、今年度から庁内にある基幹型を除く全ての高齢者総合センターで「地域ケア会議」を試行的に年3回程度開催するとしています。運営マニュアルでは、「地域ケア会議」で取り上げる5つのケースの中に、「支援が自立を阻害していると考えられるケース」がありますが、モデル事業のように無理な自立を促して介護サービスの取り上げにならないか心配です。区としての「地域ケア会議」の設置意義をお示しください。
 第3に、地域支援事業の担い手についてです。
 区は、移行後の地域支援事業の担い手について、既存の介護事業所を軸にしながら、家事援助等はシルバー人材センターや社会福祉協議会等に移行しようとしています。国は、介護ヘルパーが行う「専門的サービス」を、2回に1回はボランティアによる掃除・洗濯等の家事援助にする「効率化」案を示して給付費の抑制を図ろうとしています。これでは専門職の仕事が減り、在宅介護サービスの中心的担い手であるヘルパー事業者の経営とヘルパーの生活が脅かされると思いますが、区は、この点についてはどのように見通しているのか伺います。
 もう一方の担い手と期待しているボランティアはどうでしょうか。次期計画の作業部会で、「シルバー人材センターの活用はあり得るが、新宿区のシルバーは男性の登録比率が多く、家事援助などが本当に担えるのか」という疑問が出されましたが、当然の懸念です。区としてボランティアなど人材を確保する見込みや保証はあるのでしょうか。
 要支援者の保険外しによる介護給付の抑制策がこのような矛盾を起こします。区は、国に対し、制度の実施撤回を要求すべきと思いますが、以上3点お答えください。
 次に、特別養護老人ホームについて伺います。
 第1に、特別養護老人ホームの申し込み要件についてです。
 5月末現在の特養ホーム入所者数は1,001人で、そのうち92人が要介護1・2の方です。また、5月末現在の区内の待機者は966人で、そのうち261人が要介護1・2の方です。国は、申し込み要件を現在の要介護1以上から3以上にしようとしています。さすがに既存入所者の追い出しはなくなりましたが、今後は真に入所が必要な人が申し込みすらできなくなります。国会の質疑で、要介護1・2でも、知的・精神障害、虐待被害者、認知症で常時見守りが必要など、「やむを得ない事情」がある場合は「特例入所」できることを認めていますが、あくまで例外です。千代田区では、今後も現行どおり要介護1以上の申し込みを受け付けるそうですが、我が区も現行どおり行うべきです。お答えください。
 第2に、特別養護老人ホームの増設目標を明確にすることです。
 5月末の特養ホーム待機者は、要介護1・2を除いたとしても約700人です。現在開設予定の1カ所だけでは到底待機者は解消できません。区議会も、国や東京都に対し、施設建設のための用地確保補助拡大を要請してきましたが、東京都は9月2日、特養ホームについては、国有地・民有地の借地料補助により整備する事業に対し、新規に初期費用軽減のため借地料の2分の1を5年間補助することと、都有地については7月31日に貸し付け条件の負担軽減策を打ち出しました。これら都の拡充した支援策を活用し、次期計画中に新たな特養ホーム建設計画を持つべきと考えますが、いかがですか。また、例えば戸山一丁目公務員宿舎跡地の国有地や児童相談センター跡の都有地などの情報をしっかり把握し、土地を取得して特養増設を進めるべきと考えますが、以上2点、お答えください。
 第3に、特養建設に当たって低所得者対策として多床室を整備することです。
 区が整備を進めてきた個室ユニット型の特養ホームは、月に20万円前後の経費がかかり、低所得者は入所できません。低所得者や生活保護受給者には特別の負担軽減があるから入所できるかのように言っていましたけれども、実際に生活保護世帯で個室ユニット型に入所している方はいません。居住費と食費を補足給付するための負担限度額証は、3月末現在805人分発行されていますが、所得区分3の場合でも多床室なら2万9,100円ですが、個室ユニットなら5万8,800円かかり、多床室を待つ方も少なくありません。
 北区や渋谷区では、多床室のある特養ホームの新規建設を実現してきています。北区の場合、100床の特養の3割、30床を多床室で対応することを盛り込んだ公募を行い、不足分の建設予算は区が支出しています。新宿区も、今後整備する全ての特養ホームに多床室を整備すべきです。見解をお聞かせください。
◎区長(中山弘子) 医療介護総合法と高齢者福祉の充実についてのお尋ねです。
 初めに、基本チェックリストの活用と要介護認定申請権についてです。
 区では、平成28年度から法改正に伴う新しい介護予防・日常生活支援総合事業を実施します。その利用手続の際に基本チェックリストを活用する予定です。基本チェックリストは、相談窓口において必要なサービスを利用できるように本人の状況を確認するツールであり、決して要介護認定申請を制限するものではありません。新しい総合事業の実施に当たっては、その内容や申請手続についての周知に努めるとともに、特に要介護認定が必要な場合には御本人の状況に合った適切な相談を行ってまいります。
 次に、地域ケア会議についてのお尋ねです。
 地域ケア会議の設置意義は、高齢者への個別支援の検討を通じて課題解決や関係者間の連携強化を図るとともに、高齢者が可能な限り地域で生活し続けるためのネットワークを構築することです。
 会議における個別ケースの検討は、介護サービス抑制のためではなく、高齢者それぞれの状況に寄り添って地域ネットワークによる支援を行うために実施するものです。
 次に、地域支援事業の担い手についてのお尋ねです。
 今回の制度改正に伴う予防給付から地域支援事業への移行については、利用者や介護サービス事業者の混乱を来さないよう段階的に行っていきます。また、新たな地域支援事業においても専門性や経験を持つ介護サービス事業者の役割は大きいものと認識しています。
 御指摘の介護サービス事業者やヘルパーの仕事の見通しについては、今後の高齢者数の増加に伴い介護給付の需要増が見込まれることや、地域支援事業においては、提供されるサービス内容に見合った適切な単価を定めていくことで、引き続きサービス提供の担い手として活動してもらえるものと考えます。
 次に、ボランティアなどの人材の確保についてのお尋ねです。
 新たな地域支援事業においては、元気な高齢者が調理、掃除、買い物代行などの生活支援の担い手となって社会参加する機会をふやしていくことを想定しています。事業推進に当たっては、ボランティアなどの担い手が求められるサービス内容に応じることができるよう、研修の受講機会を設けたり資格取得を奨励するなど資質向上を図りながら、社会福祉協議会、シルバー人材センター等と連携して人材を確保してまいります。
 次に、国に対し制度の実施撤回を要求すべきとのお尋ねです。
 新しい地域支援事業は介護保険制度内の事業であり、国からの財源措置のもと、多様なサービス提供主体により地域の実情に応じた柔軟なサービス提供をより可能にするものと考えておりますので、国に対し制度の実施撤回を要求することは考えていません。
 次に、特別養護老人ホームの申し込み要件についてのお尋ねです。
 新たな申し込みの要件では、原則要介護3以上の方を対象とし、要介護1、2の方は特定の条件を満たす場合に限り利用できることになります。現時点での特例入所要件の案は、認知症、知的障害や精神障害、家族等による虐待、単身世帯などにより特別養護老人ホーム以外での生活が著しく困難な状態にあると認められることです。区としては、要介護1、2であることだけで受付をお断りすることはなく、御本人や御家族の状況を丁寧に伺い、特例入所の要件に該当すると思われる場合は申し込みを受け付ける方向で検討をしております。
 次に、特別養護老人ホームの増設目標についてのお尋ねです。
 平成26年3月実施の「新宿区高齢者の保健と福祉に関する調査」における要支援・要介護認定者調査によれば、「可能な限り自宅で生活を続けたい」との回答が85.6%ありました。このような区民の声も踏まえ、現在、区は、介護が必要になっても住みなれた地域で暮らし続けられるよう、在宅サービスを中心とした「地域包括ケア」のさらなる推進を図っているところです。
 一方、特別養護老人ホームについては、これまで「新宿けやき園」、「特別養護老人ホーム神楽坂」、「マザアス新宿」などの施設を積極的に整備してきました。
 次期計画期間中の整備については、下落合駅前に定員130人、ショートステイ20人の特別養護老人ホームを建設中であり、平成27年6月に開設予定ですが、そのほかの計画は現在なく、土地の取得も考えておりません。今後、在宅生活が困難になった方のセーフティーネットとしての特別養護老人ホームの整備に当たっては、公有地の活用も視野に入れながら、財政面も含め総合的に考えていく必要があります。
 次に、今後整備する特別養護老人ホームに多床室を整備すべきとのお尋ねです。
 区は、特別養護老人ホームを在宅生活の延長として捉えており、利用者の尊厳を守りプライバシーを確保する観点から、これまで個室ユニットケアを推進してきました。御指摘の多床室については、現在区が協定を結んでいる多摩地区の特別養護老人ホームと区内の特別養護老人ホームの定員に占める多床室の割合は全体の8割近くであり、新たに整備する予定はありません。
◆8番(川村のりあき) 次に、待機児童解消と子ども・子育て支援新制度について質問します。
 2012年に成立した子ども・子育て支援新制度は、関係者の運動を反映して児童福祉法第24条1項が維持されることとなり、保育に欠ける乳幼児の保護者から申し込みがあれば、区市町村はそれらの児童を保育所において保育しなければなりません。
 そこで、第1に待機児童解消について伺います。
 保育所のニーズが増大し、待機児童がふえるもとで、区は昨年度4所の認可保育所を増設しましたが、ことし4月も待機児童は昨年並みに生じました。区長がこれを残念に思われていることはさまざまな場で伺いましたが、退任に際しては課題解決の道筋をつけていただくことが必要と思います。区長は、この点についてどのようにお考えか、お聞かせください。
 既に来年4月も認可保育園を4所増設する予算が成立しており、新栄保育園建てかえ等による定員増が見込まれていますが、7月の次世代育成協議会に出された資料では、区が3つに地域分けした2つの地域で来年1歳児の需要を満たせない見通しであり、再来年以降は東南地域で全年齢において大量の待機児童が見込まれています。まず来年度に向けた短期的な緊急対策として、小規模保育事業、保育ルームを待機児童が多い地域に早急に複数箇所開設すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 また、2016年以降の中長期の対策では認可保育園の増設が不可欠です。私どもは幾度も公有地を活用して認可保育園整備を求め続けてきましたが、東京都は本年7月31日に、認可保育所と特別養護老人ホーム整備のための都有地の貸し付け状況を見直して事業者負担の軽減策を打ち出しました。さらに9月2日には、認可保育所設置のために定期借地権の一時金補助の対象を国有地にも拡大し、国有地・民有地への補助基準を引き上げる補正予算案を発表しました。この機を捉え、不足している地域に認可保育園整備のために早急に公有地・民有地を確保して、来年度以降の待機児童をゼロにすべきと考えますが、区長の御所見を伺います。
 ところで、ことし4月に賃借物件を活用して開設した3つの認可保育園は、私も委員会視察をしましたが、オフィスビルの2、3階で、窓が閉め切ったまま、中には換気がよくないところもあり、閉塞感は拭えません。園庭もなく、夏のプール遊びはできたのでしょうか。今後開設する認可保育園は園庭を確保し、子どもたちが外で伸び伸び遊べる施設にすべきです。幸い、これから開設される2カ所の認可園は、園庭もしくは目の前に公園がありますが、今後の事業者選定においては園庭の確保を重視すべきと考えます。いかがでしょうか。
 第2に、幼稚園の待機児童対策と区立幼稚園廃園計画の白紙撤回について伺います。
 保護者、関係者や地域の強い反対で区立幼稚園4園の廃園計画は中断され、区は来年度以降に結論を出すとしています。廃園対象の4園中、戸塚第一幼稚園は今年度4歳児クラスが成立しませんでしたが、早稲田、余丁町の両園は、4・5歳児とも定員に対して8割前後在籍しており、ニーズの高さを物語っています。大久保幼稚園は、戸山幼稚園の休園、東戸山幼稚園の子ども園化で地域唯一の区立幼稚園になり、4園廃園計画はいよいよ理屈に合わないものとなっています。
 区が行ったニーズ調査では、3歳児のニーズに対して幼稚園の受け入れ不足が著しく、このまま対策を講じなければ、2017年以降は100名前後の3歳児の待機児童が発生する見込みです。今も区立幼稚園11園中9園が3歳児の定員枠いっぱいの17名が在籍しており、3歳児定員の拡大が求められています。教育委員会は今後、3歳児の幼稚園ニーズにどのように応えていくのか、解決の方向をお聞かせください。
 この点では、既設の大久保幼稚園のほか、廃園計画が示された3つの幼稚園に3歳児クラスを増設することを真剣に検討することが迫られていると考えますが、このことも含めてお答えください。
 その上、さらに、区立幼稚園でも預かり保育を実施すれば、どこの園でも入園希望者がふえて定員を満たすことは確実です。文京区では、預かり保育の実施により30%程度園児がふえたとのことです。預かり保育を実施することこそ保護者の多様なニーズに応える道だと考えますが、いかがでしょうか。
 第3に、子ども・子育て支援新制度の移行について伺います。
 1つ目は、区民・保護者への新制度の説明についてです。
 区は、区報で3回にわたり新制度の説明をすると文教子ども家庭委員会に報告があり、1回目は8月5日号で主に認定について説明しました。これを読んだだけで新制度を理解できる方がいるとはとても思えませんし、逆に疑問や不安が生じるのではないでしょうか。さまざまな紆余曲折を経て成立した新制度は複雑な内容であり、新しい言葉や定義もあり、全体像を把握するのは容易ではありません。子育て施設ごとに保護者に説明するとともに、区民向け説明会も開催していただきたいと考えますが、区長の見解を伺います。
 2つ目は、学童クラブについてです。
 学童クラブの設備や運営に関する条例案では、支援員の資格と職員数について国基準に上乗せをし、それ以外は国基準どおりとなっています。現状は、1人当たりの面積基準に照らして定員がオーバーしているのが26カ所中12カ所、在籍児童数がオーバーしているのが12カ所と、二重の条例違反が顕著です。3年生までだった対象を6年生まで広げる条例案ですから、違反がより深刻になることは間違いありません。ニーズに見合う施設整備に早急に着手しなければ、この自己矛盾は解決しません。
 新宿区が今回提案している条例案の附則では、1つの支援単位、「おおむね40人以下」を当分の間「60人以下」に据え置くとして、無制限の経過措置が提案されています。条例で定める基準と定員やニーズ量との乖離についての対応も検討中とのことです。これまでも指摘してきましたが、26ある学童クラブ中14が定員超過状態です。この期に及んでもなお解決を先延ばしにするなど断じて許されません。
 9月4日付読売新聞都民版では「港区が3施設を新設、既存施設の改修により来年度から定員を908人、約6割増員する。2019年度までにさらに260人以上拡大する」と報道されています。これと対照的に、区は、次世代育成協議会の資料中「学童クラブニーズへの対応について」で、ニーズと定員が大きく乖離しているので、定員の確保方策を検討すると言っています。期限も定めずにこれから検討すると言って誰が納得するでしょうか。港区のように早急に施設整備を決断して事態を解決すべきです。明確にお答えください。
 その際、例えば中町児童館は定員30名に対して在籍数59名と、今でもほぼ2倍であり、6年生まで対象が広がればますますオーバー館になることは必至です。愛日小学校建てかえにより、あいじつ子ども園2階の体育館スペースがあくので、ここを学童クラブ室にすれば来春からすぐに定員をふやすことが可能と考えますが、いかがでしょうか。
 また、来年4月開設予定の落合第四小学校内学童クラブについては、保護者から防災倉庫活用などニーズ見込み量に見合うスペース確保の要望が出されており、直ちにスペース拡大を図る必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 保育園の待機児緊急対策では、部や課の枠を超えて全庁的に施設整備の取り組みを進めてきました。学童クラブに関しても同じ位置づけで対策を講じる必要があります。あわせて御答弁願います。
 また、同じ資料で、放課後子どもひろばに付加機能をつけたサービスの仕組みを検討するとしています。せいが学童クラブの待機児対策として、落合第四小学校の放課後子どもひろばに付加機能をつけておちよんクラブにして急場を乗り切ろうとした経緯をほうふつとさせます。議会や保護者には、「学童クラブ事業は学童クラブ事業としてしっかりとやっていく」、「学童クラブに入りたい方は全て学童クラブに入っていただきたい」と言いながら、その実、学童クラブをふやさずに、学童の希望者が放課後子どもひろばに行くように仕向ける姑息なやり方との声を聞きます。遊びの場であるひろばと、保護者が就労している児童の生活の場である学童は性格が全く異なり、安易なすりかえのために付加機能をつけるべきではないと考えますが、区長の見解をお聞かせください。
◎区長(中山弘子) 待機児童解消対策と子ども・子育て支援新制度についてのお尋ねです。
 初めに、待機児童解消の課題解決の道筋についてです。
 私は、区長就任以来、一貫して待機児童解消を重点施策に掲げ、今年度までに保育所定員を2,200人ふやしたほか、保育ルームや定期利用型一時保育など多様な保育ニーズに対応する事業も拡充してきました。出生数や共働き家庭の増加等により、待機児童ゼロの達成は年々高いハードルになっていますが、待機児童解消緊急対策部会を中心に、年度当初の待機児童数に即応する体制を構築したことは課題解決の道筋の一つとなったと考えます。
 今後は、現在作成中の子ども・子育て支援事業計画で、人口推計と次世代育成支援に関する調査、地域別の待機児童の分析等に基づき、平成29年度までに待機児童数をゼロにするという目標を立て、その達成に向けた保育の確保方策を具体的に定めていくことで待機児童の解消を実現することになります。
 次に、来年度に向けた短期的な緊急対策としての保育ルームの整備についてです。
 区は、来年4月の待機児童ゼロを目指して今年度も認可保育所の追加整備を予定しているところですが、現時点では追加分の開設場所と定員が確定していない状況です。保育ルームの開設については、現在進めている緊急対策の進捗状況を踏まえて判断してまいります。
 次に、中長期の対策として、認可保育園整備のために国有地・民有地を活用することについてです。
 保育所整備のための土地利用については、このたび国有地や都有地活用の際の減額率が大幅に引き上げられたことや、民有地の賃料補助が手厚くなったことは、区としても好機と捉えております。必要な地域に適切な土地等がある場合には積極的に活用し、保育施設の整備に努めていくことにより、来年度以降の待機児童解消を目指してまいります。
 次に、ことし4月に賃貸物件を活用して開設した認可保育園の夏のプール遊びについてのお尋ねです。
 保育園の開設に当たっては、十分な採光を確保することはもちろん、建物の構造上、窓が開かない場合には自然換気装置などにより良好な室内環境を保っています。また、近隣の公園での屋外活動なども行っています。この夏、園庭のない保育園でも、自園の敷地や近隣の児童館を活用してビニールプールを設置し、子どもたちがプール遊びを楽しんだとの報告を受けています。
 次に、今後の事業者選定において、園庭の確保を重視すべきとのお尋ねです。
 区が待機児童解消の緊急対策として進めてきた賃貸物件を活用した保育所整備は、立地や開設可能時期が重要な条件でしたが、同じ条件であれば園庭が確保できる事業案を優先しています。都心において十分な園庭を確保することは簡単なことではありませんが、保育事業者の保育内容の質とあわせて、今後も保育所整備の重要な判断要素としてまいります。
 次に、子ども・子育て支援新制度の区民・保護者への説明についてです。
 平成27年4月から施行予定とされているこの制度では、新たな仕組みや改正される事項が多岐にわたることは確かですが、利用者の視点から見た場合には直接影響のある部分は限られています。
 主な変更点としては、保育園等の入園申し込みとは別に保育の必要性等の認定を受ける必要があることが挙げられます。ただし、例えば保育園の場合、認定の申請は入園申し込みと同時に受け付ける予定で、必要な書類もこれまでと基本的に同じであり、手続の負担が大きくふえるということはありません。利用する保育園等の決定もこれまでどおり、各家庭の状況や希望を踏まえ、区が行います。このような観点から、8月5日号の広報しんじゅくでは利用手続の案内を中心とした記事を掲載したところであり、今後改めて説明会を開催する予定はありません。
 なお、既に保育園等を利用されている保護者についても認定の申請は必要ですので、園を通じて具体的な説明を行ってまいります。これから広報しんじゅくに掲載する入園申し込みの案内や窓口で配布するパンフレットの説明もわかりやすく工夫するとともに、窓口での案内も丁寧に行い、利用を希望する方々が戸惑うことなく手続ができるよう努めてまいります。
 次に、学童クラブについてのお尋ねです。
 学童クラブについては、総在籍数が総定員数を下回り、区全体では需要を満たしていますが、地域偏在があるため、定員を超過している学童クラブが恒常的に発生している状況があります。また、昨年度実施した次世代育成支援に関する調査から、今後も現在の定員を上回る学童クラブ需要があると見込んでいます。
 一方、同調査では、「放課後子どもひろばの利用時間が学童クラブと同等に拡大された場合の利用希望」について、「学童クラブを利用したい」と回答した人の3分の1以上の方が「低学年の間も利用したい」と回答しています。また、同調査で高学年児童についても、長期休業中の学童クラブの利用希望が一定以上あることが把握できました。
 そうした状況を踏まえ、需要に的確に対応していくため、3年生までの利用希望者が定員を超える見込みの学童クラブの近隣小学校の放課後子どもひろばで午後7時までの利用時間の延長等を検討しています。また、通常利用に加え、学校長期休業中のみ利用できるスポット利用の新設も検討しています。そうした新しい仕組みにより、保護者に多様な選択肢を提供した上で、なお定員に大きく乖離があり、今後も需要増が見込まれる地域については、学童クラブの改修や増築等を含め、定員の確保方策を検討してまいります。
 次に、愛日小学校の体育館の学童クラブ室への転用及び落合第四小学校内学童クラブのスペースの拡大についてです。
 中町学童クラブ及び落合第四小学校内学童クラブは、3年生までの利用希望が定員を超えることが想定されています。そのため、愛日小学校については放課後子どもひろばの機能の拡充を検討しています。また、今年度、学童機能つき放課後子どもひろばを実施している落合第四小学校についても、午後7時までの時間延長等については継続していくことを考えています。こうしたサービス拡大により、どの程度学童クラブニーズに応えていくことができるかを見きわめながら、必要に応じて各学童クラブの専用スペースの拡大も検討していきます。
 次に、保育園の待機児童解消緊急対策と同じ位置づけにする必要性についてです。
 学童クラブについては、できる限り多くの友達との交流の中で成長できるよう、単独の施設ではなく児童館や小学校内に併設する形で整備しています。そうしたことから、これまでどおり次世代育成支援推進本部会議で全庁的に情報共有しながら、教育委員会とも連携して取り組みを進めてまいります。
 次に、放課後子どもひろばの付加機能についてです。
 学齢期の児童の放課後の居場所については、子どもの個性や成長、発達段階並びに保護者の就労状況等に応じて選択できることが大切です。次世代育成支援に関する調査結果や、落合第四小学校の放課後子どもひろばで実施している時間延長、連絡帳などを付加したサービスが好評をいただいていることなどからも、さまざまなニーズがあると認識しています。そのため、平成27年度からは放課後子どもひろばの機能拡充を含めた多様な選択肢の提供を検討します。これにより、就労等で保護者が昼間家庭にいない児童の安全・安心な居場所として、学齢期の一人ひとりの子どもの成長に見合った適切なサービスを保護者が選択できるよう準備を進めてまいります。
◎教育長(酒井敏男) 教育委員会への御質問にお答えします。
 初めに、3歳児の幼稚園ニーズに対する対応についてのお尋ねです。
 昨年度実施しました「新宿区次世代育成支援に関する調査」の結果によると、3歳児の幼稚園ニーズに対する受け入れ枠は4、5歳児に比べて少ないことに加え、就学前の子どもの人口が増加していくことから今後も不足していくことが想定されます。
 教育委員会では、こうしたニーズや昨年度実施しました区立幼稚園の保護者懇談会でいただいた意見などを踏まえ、幼稚園教育における公私立の役割と今後担うべき役割についても整理をし、私立幼稚園協議会とも意見交換を行いながら、区立幼稚園のあり方について再検討を行っています。この検討の中で、廃止対象となっている園も含めて3歳児クラスの増設について検証してまいります。検討結果については、今年度中に「区立幼稚園のあり方の見直し方針の素案」として取りまとめ、地域説明会などの中で丁寧に説明し、平成27年度の方針決定に向け、保護者や地域の皆様との合意形成に努めてまいります。
 次に、区立幼稚園における預かり保育の実施についてのお尋ねです。
 幼稚園の預かり保育についても、「新宿区次世代育成支援に関する調査」の結果から、ニーズとしては一定の量があると認識しています。預かり保育のニーズに対する対応については、「区立幼稚園のあり方の見直し方針の素案」を取りまとめる中で検討してまいります。
◆8番(川村のりあき) 区長並びに教育委員会から御答弁をいただきましてありがとうございます。
 国連の人種差別撤廃委員会最終見解に対する評価についてのお答えでは、区長から従軍慰安婦の問題を含めてしっかりとした答弁が伺えたというふうに思っております。
 また、あと、待機児童の解消ということでは、御答弁は今のようなお話でしたけれども、新宿区次世代育成支援協議会のホームページなどを見ましても、保育ルーム、認可保育園の増設というのは、本当にもう計画の俎上に乗ってくるというところまで本当に切迫した状況だというふうに思っております。
 昨日、私ども日本共産党区議団主催で新制度の講演会というのを行ったんですけれども、その際も非常に多くの参加者の方がございまして、個別の相談をその終了後もやったんですけれども、非常に待機児童を抱えて深刻な状況というのをお伺いもしまして、改めて、区長も任期中に2,200名の定員拡大をしていただいたということで御答弁いただきましたけれども、やはりさらに計画の充実、待機児童の解消というのは待ったなしだという思いで、さらにこの定例会も取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 また、区立幼稚園3歳児定員の拡大や預かり保育という点では、先ほどの答弁で伺いまして、年来の保護者の方の御要望実現というところにあと一歩まで来ているのかなというふうに受けとめましたので、また詳細な質疑につきましては決算特別委員会で同僚議員が質疑をさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 御清聴いただきましてまことにありがとうございました。