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区議会での質問

2011年第4回定例会代表質問

日本共産党新宿区議団 代表質問

2011年11月30日に行われた代表質問です。
◆8番(川村のりあき) 日本共産党区議団の川村のりあきです。新宿区議会第4回定例会に当たり、日本共産党新宿区議団を代表して質問を行います。よろしくお願いいたします。
私は、同僚議員とともに過日、福島市を訪ね、特定避難勧奨地点の指定を検討された渡利や大波地区を中心に同市の放射能対策の現況を調査してまいりました。仮置き場が市内で初めて決まり、表土をはぎ取る除染が始まった大波地区のお宅に聞き取りに伺うと、作業完了まで1週間かかったというお話や、そのお宅の立派な植木もすべて伐採しなければならなかったが、母の記念の木なので切れなかったと1本の木だけが残されていたことなどを見聞きしました。名物の干しガキもつくれば必ず500ベクレルを超えるということで、つくってはならないとのお話も、御案内の方が肩を落としながらおっしゃっていました。
私がはかってみると、かつて地域の運動場であった残土の仮置き場の空間放射線量は8マイクロシーベルト毎時と新宿の100倍を超える線量を記録していました。私自身、除染がいかに大変で、生活に影を落としているかを実感してまいりました。お話を聞いた中でも、東電から補償がされていない実態も伺えました。その上、燃料がどこにあるかもわからず、事故収束のめども立たない中、やらせメール問題では、知事や県の関与も指摘されているにもかかわらず、再稼働を進めようとする野田政権に対しては、国民の安全・安心ではなく、原子力村、財界の利益が一番なのかと怒りさえ覚えます。
私どもは、脱原発と震災、放射線被害から被災者の生活再建のため尽力するとともに、野田政権がアメリカの求めのまま進めるTPP交渉参加や沖縄への新基地推進、財界の求める派遣法骨抜き修正や子ども・子育て新システム推進に対し、国民の利益を対置し、正面から対決する決意を申し述べまして、質問に入ります。
まず、放射能から子どもと区民を守る対策のさらなる充実について伺います。
都内では相次いでホットスポットが見つかり、自治体が除染を行う事態が広がる中、政府は11月11日、東京電力福島第一原発事故に伴う放射性物質の除染に関する基本方針を閣議決定し、年間被曝線量が1ミリシーベルト以上の地域を除染対象地域に指定しました。新宿区内でも私たち区議団の独自調査により、雨水ます周辺では、国の除染基準となる毎時0.23マイクロシーベルトを上回るホットスポットが見つかり、区が再測定と除染を行っています。また、福島県産の米から政府の基準値を超える放射性物質が検出され、出荷停止となるなど、食品の放射能汚染と内部被曝に不安が広がっています。
私ども区議団は、この間の経過を踏まえ、11月16日、区長に対して、放射能汚染から子どもと区民を守る対策のさらなる充実を求めるため、10項目の申し入れを行いました。特に既に測定を実施した施設等での継続的な空間・土壌等の測定と公表、高線量が予測される地点のきめ細かい測定と公表、高線量地点の除染、区民に貸与する測定器の台数増、食品の放射性物質測定器の購入と子どもの施設の毎日の給食食材の測定、学校給食に関し弁当・水筒の持参を認める区教育委員会方針の現場への徹底について、区と教育委員会はどのように対応したのか、今後の方針についてもお答えください。
◎区長(中山弘子) 川村議員の御質問にお答えします。
放射能汚染から子どもと区民を守る対策のさらなる充実についてのお尋ねです。
区は、これまで子どもが通う場所を中心とした区有施設の空間放射線量、砂場の砂、土壌、学校のプール水、神田川の河川水、さらに給食サンプリング調査を行ってまいりました。その結果として、高い測定値は出ておらず、全施設を同じ測定地点で継続測定することは考えていません。しかし、他区の小・中学校の雨どい下で高い放射線量が確認されたとの報道があり、新宿区内でも高い放射線量の箇所があるのではないかという不安が寄せられている中、文部科学省が放射線測定に関するガイドラインを取りまとめ、高い放射線量が想定される場所として、雨どい等の雨水が集まる場所を示しています。
そのよう状況を踏まえ、保育園、幼稚園、小・中学校、公園等の区有施設で高い線量が想定されるところを測定し、公表していきます。その結果、区有施設において高い値が測定された場合は、必要に応じて除染を行います。また、東京都健康安全研究センターの測定とあわせて、第一分庁舎、牛込弁天公園の区内2カ所での定期測定を継続し、空間放射線量の推移を見守っていきます。
測定器の貸し出し台数の増加については、区では9月から他区に先駆けて測定器2台の貸し出しを行っていますが、世田谷区の道路に関する報道などから要望がふえたことを受け、11月から1台ふやし3台にしました。今後、貸し出し台数をさらにふやし、より多くの方に御利用いただけるよう充実を図ってまいります。
次に、食品の放射性物質測定器の購入、子どもの施設の毎日の給食食材の測定についてのお尋ねです。
サンプリング調査を行ったところですが、結果はすべて不検出でした。食品に関する測定については、市場に流通している食品は安全であると認識していますが、消費者庁の測定器を借り受け、流通食品や給食の食材についての検査方法等、有効活用を検討していきます。
◎教育長(石崎洋子) 教育委員会への御質問にお答えします。
小・中学校の毎日の給食食材の測定についてのお尋ねです。
学校給食の食材の放射性物質の検査は、9月7日のサンプリング調査の結果、不検出でした。今後の検査については、消費者庁から測定器の借り受けができた場合には、教育委員会として検査方法等を検討してまいります。
次に、学校給食に関し弁当・水筒の持参を求める区教育委員会方針の現場への徹底についてのお尋ねです。
学校給食の食材料に関して、牛肉の放射能汚染問題以降、国や都道府県でのモニタリング検査が強化されたことにより、現在は安全な食材料が流通しているものと考えています。しかし、保護者の中には不安に思っている方もいることから、各学校に弁当等の持参の申し出があった保護者に対しては認めるように指導してまいりました。今後とも校長会等を通じて、食材料等に不安を持つ保護者に対しては、弁当等の持参を認めるよう徹底してまいります。
◆8番(川村のりあき) 次に、第二次実行計画について伺います。
質問の第1は、計画決定までのプロセスにおける説明責任と区民参加についてです。
第二次実行計画は、自治基本条例制定後、初めて策定される実行計画であり、条例第5条、第12条、第14条、第15条等に定められた区民の区政情報を知る権利と区政参加の権利を実質的にどう保障するかが問われています。
まず初めに、第二次実行計画の策定に当たり、区民討議会のほかに、自治基本条例の趣旨を活かして特に努力した点、改善した点があれば、お聞かせください。
私ども区議団は、すべての「区長と話そうしんじゅくトーク」に参加し、区民討議会を傍聴しましたが、率直なところ、情報伝達や区民参加が大きく前進したと受けとめることはできませんでした。そこで、以下、何点かにわたり質問します。
1点目は、「しんじゅくトーク」についてです。
第二次実行計画、高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画、健康づくり行動計画の3計画を一緒に説明するには無理があると指摘してきましたが、3計画を30分で説明し切れたとは思えませんし、1時間半の質疑時間も消化不良の感がぬぐえません。私も落合第二地域センターで行われた集会に参加しましたが、時間不足で挙手したのに発言できない方が10人もいらっしゃいました。また、1人1回5分の発言のため、質問の趣旨と異なる回答が区長から返っても再質問できず、お互いの理解も議論も深まらないジレンマを感じました。10回の「しんじゅくトーク」を経て、区長がどのように総括、評価をしておられるのかお聞かせください。
「ふれあいトーク宅配便」を活用した説明会が1件あったようですが、さまざまなツール、チャンネルを活かした丁寧な説明と意見集約のための工夫と努力も必要です。特に保育料や幼稚園・保育園の全園子ども園化と民営化など計画素案で示された方針で大きな影響を受ける区民や関係団体に対しては、今からでも積極的に出向いて説明をし、意見を聞くべきと思いますが、いかがでしょうか。
2点目は、区民討議会についてです。
10月22日、23日の2日間にわたって区民討議会が持たれました。参加者からは、「区政の関心がとても高まった」「皆まじめで自分の意見を率直に言っており、啓発され、希望を持った」との感想がある一方、「機械的な班割りのため、よくわからない分野について意見を言わなければならず、とても難しかった」「個別の事業と全体の事業とのかかわりがわからないまま議論していた」といった声も聞かれました。同様に、傍聴した同僚議員からも、熱心に真摯に議論する姿に感銘を受けるとともに、事業の理解が生煮えのまま議論している場面もあったとのことで、議論の質という点では課題を残したと感じました。初めての取り組みでしたが、現時点で今回の試みをどう評価しているのか伺います。
3点目に、インターネットの有効活用についてです。
各計画事業をインターネットを通じて十分説明すれば、忙しくて説明会等に参加できない区民も接近しやすいですし、時間的制約で説明不足になる「しんじゅくトーク」の課題もクリアでき、区民も自分に影響のある分野を選んで、じっくり視聴して、意見を述べやすくなります。今後の計画策定では、インターネットの動画配信等も活用し、説明責任を果たすと同時に、ネットを通じた区民意見の聴取を強めてはいかがでしょうか。
4点目に、出された区民意見の反映です。
これまで寄せられたパブリックコメントは約270件とのことですが、区民は自分が提出した意見がどう計画に活かされたか、またほかにどんな意見が出ているかも、決定するまで知ることはできません。区民討議会で出された意見も同様で、言いっ放しでやりとりのキャッチボールがないため、双方の理解も議論も深まりません。決定の前にパブリックコメントや区民討議会の意見、それに対する区側の見解を公表し、さらに区民から意見を求めるような柔軟で懐の深い対応をすることが、区民の信頼を増し、自治基本条例の趣旨に合致するものと考えますが、区長の御所見をお聞かせください。
質問の第2は、財政収支見通しについてです。
まず、歳入についてですが、第二次実行計画期間中の特別区民税は、景気動向を反映して大きく落ち込む見通しです。第一次実行計画の当初の見通しと比較して、4年間で150億円のマイナス、特別区交付金も84億円のマイナスです。一方、計画予算総額は4年間で418億円増となっており、財政調整基金の取り崩しと区債の発行によって、歳入の不足を賄う方針と思われます。財政調整基金残高は、2010年度末で218億円、2012年度末見込みで148億円です。一方、今後4年間で309億円取り崩す計画ですが、差し引き約160億円足りません。繰越金を財政調整基金に充当するとしても、かなりの額ですが、どのように確保するのかお答えください。
また、基金総額は2010年度末で467億円、2011年度末見込みで335億円と聞いていますが、今後4年間の基金の推移と、2005年からは基金残高が区債残高を上回ってきましたが、区債残高の見通しもあわせてお聞かせください。
歳出では、何といっても扶助費が第一次実行計画と比較して、4年間で額にして540億円、率では46%ふえることが突出しています。国際的にも、国内的にも、景気回復の要因は見当たらず、扶助費の増大が見込まれるもとで、計画事業、経常的事業とも、不要不急の事業を見直し、区民生活を支えることを重点に置いた予算配分をすることが必要と考えますが、区長はどのように認識されているかお聞かせください。
質問の第3は、区政運営編の個別事業の中でも地域で存続の要望が高い清風園についてです。
素案では、施設の老朽化が進み、維持管理の負担がかかるから、地域の高齢者施策の需要を踏まえて、清風園のあり方を検討すると書かれており、これは廃止を意味しているのか、まず伺います。
この計画を聞いて、落合地域では、西落合ことぶき館がなくなった上、さらに清風園も廃止されたら困るという声が広がっています。落合だけではありません。清風園は、無料パスでバスを乗り継ぎ、区内全域から高齢者が集まってくるオアシスとも言うべき場所ですし、ことぶき館の機能転換でおふろがなくなった地域の高齢者も通っています。去年、一昨年とも、利用者が4万5,000人と高齢者の需要は高く、楽しみつつ通うことが運動となり、ひきこもり防止になる、効果抜群の施設です。こんなよい施設を廃止するなんて、とんでもありません。利用者の声を聞き、存続すべきです。区長の明確な答弁を求めます。
◎区長(中山弘子) 第二次実行計画についてのお尋ねです。
初めに、第二次実行計画の策定に当たって、努力や改善した点についてです。
第二次実行計画の策定に当たり、行政評価の実施時期を例年より早め、学識経験者や公募区民等から成る外部評価委員会の意見を素案に反映させました。また、多様な区民の声を取り入れた計画とするため、無作為抽出した区民による区民討議会を実施し、ふだん余り区政に参画する機会の少ない区民から区民目線による率直な意見を伺いました。区民討議会は、昨年の自治基本条例制定時に続いて実施したものですが、これまでの実行計画策定時にはなかった取り組みです。
このほか、地域説明会を「区長と話そうしんじゅくトーク」の中で実施しました。計画素案の事業について、直接区民の皆さんと意見交換をすることができました。また、実行計画の内容をより理解していただけるよう、わかりやすく完成度の高い素案となるよう努めました。具体的には、計画事業の主な指標を一覧で表示するとともに、経常事業の概要を施策体系順に掲載し、区の施策や事業の全体像を素案の段階からお示しすることができました。こうしたことから、今回の実行計画については、策定段階から区民を含む外部の視点を取り入れるとともに、素案に対する区民への情報提供や区民参加のもとでの計画づくりになっているものと考えております。
次に、「区長と話そうしんじゅくトーク」の評価についてのお尋ねです。
今年度は、現在策定を進めている区の第二次実行計画、高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画、健康づくり行動計画を主なテーマとし、10月17日の柏木地域センターを皮切りに、特別出張所単位で11月13日の落合第一地域センターまで、10回のトークを開催しました。参加者は延べ419人、1回平均40人を超える区民の皆様に御参加をいただきました。
最初に区側から各計画のポイントや区民生活に密接にかかわる事業を中心に簡潔に説明した後に、区民の皆様と直接意見を交換しました。この意見交換では、子育て支援、高齢者福祉、災害対策、自転車交通対策などの計画事業に係る区民の声を直接お伺いし、それに対する私の考えも直接お伝えすることができ、有意義な機会であったと考えております。
なお、ほとんどの地域では、再質問も含め、十分な意見交換ができたものと考えますが、限られた時間の中で発言ができなかった方については、当日配付した意見用紙により御意見を提出していただきました。回答が必要な御意見については、個別に対応するとともに、パブリックコメント制度による意見としても取り入れることとしております。
次に、さまざまなツールを活かした丁寧な説明と意見集約についてのお尋ねです。
今回の第二次実行計画素案の地域説明会は、「区長と話そうしんじゅくトーク」の中で行いましたが、区の情報提供のツールの一つとして、「ふれあいトーク宅配便」があります。これは区民等の要請により、職員が講師として出向き、区政の取り組みを説明する制度で、「しんじゅくトーク」の中でも制度の紹介を行い、活用を呼びかけました。これまで1団体から要請があり、実行計画全般と介護保険、防災、子ども園化について、各担当課長が説明し、参加者と意見交換を行いました。パブリックコメントの期間は終了しましたが、今後も「ふれあいトーク宅配便」等の要請があった際は、職員が出向いて説明し、御意見等を伺ってまいります。
次に、保育料や幼稚園・保育園の全園子ども園化と民営化についての説明会についてのお尋ねです。
保育サービスと保育料についての区民説明会については、10月25日、27日、29日の3日間開催し、延べ27名の方に御参加いただきました。説明会に参加できなかった方のために、説明会で使用した資料をホームページに掲載し、情報提供するとともに、ホームページからも意見をお寄せいただけるようにしています。保育園の子ども園化については、該当園における保護者説明会を通じて、保護者の方に情報提供してまいります。また、保育園の民営化については、今回の保育サービスと保育料についての区民説明会の中で、これまで区が進めてきた民営化や今後の民営化計画についても説明いたしました。今後とも、保育園の子ども園化や民営化の際には、保護者や保育園、子ども園の利用を考えている方々も含めて、適宜説明を行ってまいります。
次に、区民討議会をどのように評価しているのかとのお尋ねです。
今回の区民討議会は、事業仕分けの手法を活用した初めての区民討議会でした。時間配分や情報提供のあり方など、さらに工夫すべき点もあったと考えております。しかしながら、参加者においては、2日間にわたり19事業を熱心に討議し、率直かつ多様な御意見をいただきました。無作為抽出した方に参加依頼した結果、20代から80代までの幅広い世代の方が参加し、ふだん余り区政に参加する機会のない方も多く参加していただいたものと考えております。また、有識者が情報提供の整理をしたり、班構成を少人数にするなど、参加者が討議しやすい環境を工夫しました。
私は、今回の討議会は、自治の主役であり、生活者である一般の区民の方が第二次実行計画素案の各事業について熱心に討議し、貴重な意見を多数出していただいたことにとても有意義なものであったと評価をしています。
次に、インターネットを通じての各計画事業の説明についてです。
区ホームページでは、インターネット動画サイトと連動した動画配信を行っています。映像情報は、静止画の文字情報よりも視覚的に理解しやすい場合もあり、トーク会場に足を運べない方のために有効であると考えます。説明を動画ファイルに格納すれば、インターネット上に公開することにより、動画配信することが技術的には可能ですので、今後の計画づくりにおいては、必要に応じた導入を検討してまいります。また、区民の方からの御意見は、御意見専用フォームによって、ネット上での意見聴取が可能です。
ユーストリームなど、リアルタイムに動画配信と視聴者コメントを双方向でネット配信するサービスについては、区民参画を図る上で魅力のあるものと考えますが、個人情報の漏えいや、言われなき誹謗中傷等にどのように対応するかなど課題も多く、今後の十分な研究が必要だと考えております。
次に、計画決定前にパブリックコメント等の意見と区の見解を公表し、さらに区民から意見を求めるべきとのお尋ねです。
パブリックコメント制度は、公正で透明性の高い区政を推進するため、区民生活に広く影響を及ぼす区の基本的な計画等を決定する際に、事前に案を公表し、区民等のだれもが意見を述べる機会を保障する制度です。手続を規則で定め、計画等の意思決定を行ったときに、区民意見とそれに対する区の考え方に加え、計画等の修正内容を公表することとしています。第二次実行計画については、10月中旬から11月中旬にかけてパブリックコメントや地域説明会、区民討議会を実施し、現在これらの区民意見を考慮し、来年1月の計画決定に向けて、区の考え方を詰めているところです。
御指摘の計画決定の前に区民意見や区側の見解を公表し、さらに区民から意見を求めるということはいたしませんが、計画の決定に当たっては、決定した内容、寄せられた御意見、御意見に対する区の考え方をしっかり公表してまいります。
次に、財政収支見通しについてのお尋ねです。
まず、第二次実行計画期間中の財政調整基金の残高確保についてです。
計画期間の財政調整基金は、特別区税などの一般財源の伸びが期待できない中で、御指摘のとおり、大幅な取り崩しとなり、難しい局面を迎えています。そのため、執行過程で生じる不用額を積み立てるとともに、土地建物貸付収入などについて、社会資本等整備基金などから財政調整基金に積み立て先を変更するなど、財政調整基金の残高確保に取り組んでいく考えです。また、平成23年度の財政調整基金の繰入額の圧縮に加え、平成24年度予算編成でも、より一層の効果的、効率的な行財政運営を図り、財政調整基金の残高確保に努めてまいります。
次に、今後4年間の基金の推移と区債残高についてのお尋ねです。
区債残高は、後年度負担に配慮した計画的な区債発行を予定しており、平成22年度末の259億円から平成27年度末には207億円に減少する見込みです。一方、基金については、計画期間中に309億円の財政調整基金からの繰り入れを想定していることから、平成27年度末には基金残高が区債現在高を下回る可能性もあります。そのため、平成24年度予算編成では、政策推進経費を廃止するとともに、決算実績に基づく経費削減と事務事業の見直しを積極的に行っています。区税等の財源確保、内部管理経費の削減や公共サービスのあり方の見直しなど、今後も徹底して行財政改革に取り組むことにより、基金残高の減少を抑制し、区債現在高を下回らないように努めてまいります。
次に、区民生活を支えることに重点を置いた予算配分についてのお尋ねです。
区では、これまでも厳しい経済情勢を踏まえ、暮らしを支えるセーフティネット機能の充実など、区民生活を支えるための施策について、積極的に推進してきました。第二次実行計画素案では、介護保険サービス、障害者福祉サービスの基盤整備や保育園待機児童解消対策などに取り組むとともに、生活保護受給者の自立を支援するなど、だれもが互いに支え合い、安心して暮らせるまちを目指しています。
また、平成24年度予算見積もりの依命通達では、震災対策を初めとする区政の緊急課題に的確に対応することを編成の基本方針として、予算の重点化を図ります。区を取り巻く財政環境は厳しい状況ですが、第二次実行計画及び平成24年度の予算編成において、安全で安心して、質の高い暮らしを実感できるまちの実現に向け、これからも取り組んでまいります。
最後に、清風園についてのお尋ねです。
清風園は、昭和40年に東京都より移管され、昭和55年に改築をし、御利用いただいています。改築後31年が経過しており、施設の老朽化が進み、施設の維持管理に係る負担が増大してきています。そのため、地域の高齢者施策に対する需要を踏まえながら、今後のあり方を検討してまいります。
◆8番(川村のりあき) 次に、子ども園について質問いたします。
第1に、子ども園化の進め方の問題です。
第二次実行計画素案では、現在4園の子ども園を2015年度には21園ふやし25園に、区立幼稚園は現在の18園のうち3園を子ども園化し、5園は廃止という方針が打ち出されました。ことし2月に出された「新宿区子ども園化推進の基本方針」では、区立保育園・幼稚園の全園子ども園化が打ち出されており、第二次実行計画はそれに基づくものですが、そもそもこうした重要な基本方針を区民や保護者の皆さんにも何の説明もなく進めるのは余りにも拙速ではないでしょうか。これまでも指摘したように、第二次実行計画で対象とされている園は当然のことながら、全園で説明会を開き、保護者の皆さんや今後の対象者も含めた地域の皆さんからも意見を聞くべきです。御所見を伺います。
第2の質問は、子ども園化に伴う問題点についてです。
質問の第1は、人員配置の問題です。
子ども園の幼児クラスでは、給食を食べる子とお弁当の子、午睡をする子としない子、保育時間も短・中・長時間に延長保育とまちまちで、細かい対応が求められ、業務が大変煩雑になっています。職員の負担も大変なもので、職員の年休の取得が2010年、新宿区職員は平均14.3日、保育園平均10.3日なのに対し、子ども園平均が6.0日という実態を見ても、子ども園の職員を増員することが必要と考えますが、いかがでしょうか。
質問の第2は、十分な保育スペースを確保する問題です。
子ども園化計画では、保育園型、幼稚園型、幼保連携型があり、保育スペースの面積基準は、保育園型は保育園の、幼稚園型は幼稚園の設置基準を満たし、幼保連携型は保育園と幼稚園の両方の基準を満たさなければなりません。既存施設の活用で定数をふやそうとする柏木や(仮称)おちごなかい子ども園は保育園型ですが、これまで4歳、5歳児だけだった幼稚園舎を改修して、3歳児からの施設となるために、柏木では遊戯室がなくなります。幼児1人当たりの面積は、幼稚園のときと比べて、どのくらい狭くなるのかお答えください。また、現状より狭くならないよう対策を講じるべきと考えますが、いかがでしょうか。
本来、子ども園の理念は、保育園と幼稚園のそれぞれのいいところをとって、子どもにとって、よりよい環境で育ちを保障することが目的だったのではないでしょうか。ところが、待機児童解消を優先し、大規模化と詰め込み的な子ども園化で、今までより保育環境が後退しているのではないでしょうか。今後予定されている高田馬場四丁目の子ども園についても、単に保育園の面積基準を満たせばよいというのではなく、子ども園特有の複雑な保育内容にも対応できる十分な保育スペースを確保すべきと考えますが、いかがでしょうか。
質問の第3は、子ども園の待機児童の問題です。
第3回定例会で子ども園の幼稚園認可部分についても、保育に欠ける子どもの待機児童を把握し、入園調整を区が行うことを求めました。西新宿子ども園は、来年4月入園の3歳児募集枠30人のうち、2歳児からの持ち上がりを除く11人の枠に対し16人の応募があり、抽せんの結果、補欠となった子どもの中には、保育に欠ける子どもがいたと聞きました。保育園なら待機児童として扱われる子どもが、子ども園では待機児童となっても、区は全く責任を負わないのです。区が子ども園化を進める眼目の一つが待機児解消であったはずで、大きな矛盾です。子ども園の幼稚園認可部分についても、待機児童の把握と区で入園調整を行うべきです。お答えください。
質問の第4は、民間の子ども園の運営主体や移行時の問題点についてです。
第二次実行計画では、子ども園化と同時に民営化する方針が出されました。現在進められている高田馬場四丁目の子ども園については、当初、民設民営の認可保育園として募集したため、事業者は区の私立認可保育園設置基本方針に基づき、実績のある社会福祉法人に限定されました。今後、区が進めようとしている子ども園の民営化が、国の進める子ども・子育て新システムを前提とするとしたら、利潤追求を目的とした株式会社などの参入に道を開くことになり、保育がもうけの対象にされてしまいます。そのようなことがあってはならないと考えますが、区はどのような方針なのかお答えください。
また、これまでの区立幼稚園・保育園の子ども園化も、保育園の民営化も、移行に当たって、現場は困難を余儀なくされました。今回の大久保第二保育園、新宿第二保育園、東戸山幼稚園の子ども園化と民営化は、二重、三重の困難が予想されます。このことを区長はどのようにお考えでしょうか。子どもの最善の利益を考え、よりよい保育環境にする子ども園化ならまだしも、現場に困難を押しつけるような子ども園化と民営化は行うべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
第5の質問は、柏木子ども園と(仮称)おちごなかい子ども園の送迎の対応についてです。
無理な分園方式のため、園舎が2カ所に分かれることによる送迎の問題については、第3回定例会でもさまざまな問題点が指摘されました。今の在園児については、兄弟姉妹とも乳児園舎で受け入れるが、これから入園する子どもには対応しないという区の方針に保護者の怒りが広がっております。あいじつ子ども園は、乳児と幼児の受け入れ場所が200メートル近く離れているため、兄弟姉妹は乳児園舎で受け入れを行い、入園時期に関係なく、すべての子どもに対応しています。柏木子ども園や(仮称)おちごなかい子ども園でも、入園時期で子どもの対応に差をつけるのではなく、保護者の状況に応じて必要な子どもに対応すべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎区長(中山弘子) 子ども園についてのお尋ねです。
初めに、子ども園化の進め方についてです。
私は、保護者の就労の状況にかかわらず、就学前の子どもの成長と発達段階に応じた一体的な保育・教育が重要であるとの考えから、区長に就任以来、機会あるごとに区立保育園・幼稚園の子ども園への一元化の考え方を示してきました。昨年3月に策定した次世代育成支援計画の中でも、改めてその考え方を示しており、この計画の地域説明会やパブリックコメント等を通じて御意見もいただいております。さらに、ことし2月に決定した新宿区子ども園化推進検討委員会による「新宿区子ども園化推進の基本方針」についても、関係保育園・幼稚園はもとより、町会連合会、青少年育成委員会会長会、民生委員・児童委員協議会、次世代育成協議会等にも広く説明をさせていただいております。
今回の第二次実行計画素案についても、パブリックコメントを実施し、広く御意見をいただくと同時に、地域団体からの説明を求められ、大久保地域センターや柏木地域センターでも説明会を行いました。今後とも対象園の保護者や関係者への説明会を中心に、さまざまな機会を通じて地域の御意見を伺っていきたいと考えております。
次に、子ども園化に伴う問題点についてのお尋ねです。
まず、人員配置についてですが、既存の幼稚園や保育園に比べると、保育時間も細分化され、対応も細やかになっていますが、職員配置基準に従い、必要な人数は配置をしています。子ども園職員の年休取得については、今年度、ローテーションや交代時間等の工夫を重ねていく中で、昨年度に比べ改善していますので、増員は考えておりません。
次に、現在整備中の柏木子ども園の幼児園舎の幼児1人当たりの面積についてですが、確かに園児が幼稚園のときの4・5歳児から3・4・5歳児と定員が拡大するに従って、1人当たり0.8平方メートル減ります。しかし、1人当たりの基準面積1.98平方メートルより0.52平方メートル上回る2.5平方メートルは確保しており、さらに同一敷地内の柏木小学校との連携により、体育館や他の教室も利用できるように学校と協議してまいります。
また、今後予定している(仮称)私立高田馬場四丁目子こども園の保育環境については、既に事業者から受けている提案内容によりますと、面積基準を上回る保育室のほかに、ランチルームや多目的室など、十分な保育スペースが確保されています。
次に、子ども園の幼稚園認可部分についての待機児童の把握と区で入園調整を行うべきとのお尋ねです。
幼保連携型の区立子ども園は、年齢区分型の類型をとっており、四谷子ども園とあいじつ子ども園の4歳児、5歳児、西新宿子ども園の3歳児から5歳児までは、幼稚園としての認可を受けています。現在、西新宿子ども園の3歳児では、4人の方が補欠登録されており、そのうち1人の方が長時間保育を希望されています。幼稚園認可部分については、保育要件にかかわらずに入園できる制度としており、保育園と同様の入園調整にはなじまないこと、子ども園で補欠登録している場合であっても、保育園の入園申し込みが可能であることなどから、待機児童という考え方をとっていません。
次に、私立子ども園の運営主体や移行時についてのお尋ねです。
まず、私立子ども園の運営主体については、新たな発想や創意工夫を取り入れるべく、十分な経験や実績を持つ社会福祉法人、学校法人、株式会社の中から広く公募し、選定したいと考えております。株式会社の参入により、保育がもうけの対象となるのではとの御懸念ですが、私立子ども園の運営は、どのような運営主体であっても、保育所保育指針、幼稚園教育要領並びに新宿区子ども園保育・教育指針に基づいた保育・教育の内容を実施し、面積基準や人員配置基準、運営費補助などが変わるものではなく、質の高い保育を行っていただけるものと考えています。仮に株式会社が選定された場合であっても、他の法人の場合と同様に、指導検査基準に基づき指導・監督していきます。
次に、区立保育園や幼稚園が私立子ども園へ移行する際には、これまでの区立保育園の民営化の際と同様に時間をかけて丁寧な移行引き継ぎを行ってまいります。
次に、柏木子ども園と(仮称)おちごなかい子ども園の送迎の対応についてのお尋ねです。
分園方式の子ども園では、乳児園舎と幼児園舎、それぞれの園舎に送迎していただくのが基本となりますが、これは保護者と担任との日々のコミュニケーションが重要との考え方からです。しかし、兄弟在園の場合に保護者の通勤時間などでそれぞれの園舎に送迎が難しい場合には、同一園舎でお預かりするなど、個別の事情に応じて柔軟に対応してまいります。
◆8番(川村のりあき) 次に、学童クラブの全所民間委託化について質問します。
新宿区は、2003年度から学童クラブ児童指導業務の委託化を進めてきました。現在、26所中16所を委託していますが、第二次実行計画素案では、残る10所をすべて委託化し、児童館は16館中6館が既に指定管理者制度を導入し、素案ではさらに6館で導入する方針です。私たちは、これまで保護者、関係者の意見も聞きながら、委託化によって、保育の質が低下することのないよう提案し、一定の改善をさせてきました。
委託業者を選定する際、保護者や区民の意見を反映することや、当初委託された学童クラブで職員が年度途中に複数やめるケースが多数発生したため、委託費の引き上げなどで改善を図り、また委託であっても、区直営と同等の質を確保するために、区職員の研修に委託事業者の職員も参加できるようにしたり、委託クラブに区職員が巡回指導を行うなどしてきました。しかし、そうしたことも、今は区が直営の現場を持っているから可能なのであって、すべて民間にしてしまったら、区職員の研修はなくなり、民間を指導すべき経験を積んだ区職員がいなくなってしまいます。その点を区長はどのようにお考えですか。
これまで委託化の最大の理由は、通常時の平日午後6時以降や長期休業中の午前9時以前の保育ニーズにこたえるためということのみで、子どもたちの健全育成、保育の質の向上といった観点ではありませんでした。8年間の委託推進の総括評価をそういった観点で行うべきではないでしょうか。時間延長のみが委託化の理由であるならば、現在残っている6所は、直営のまま時間延長を行い、これ以上委託すべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
また、既に委託されている学童クラブについては、職員の処遇改善のため、委託費の引き上げをすべきではないでしょうか。学童クラブを運営する区の責任として、委託職員がどのような雇用契約で働いているのかチェックすることは重要です。しかし、現在、指定管理者に対しては、労働環境モニタリング制度で把握、指導ができますが、委託事業者にはできません。区民が利用するサービスを民間にゆだねるということでは、指定管理も委託も同じです。委託事業者に対する労働環境モニタリングを実施すべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。
◎区長(中山弘子) 学童クラブの全所民間委託化についてのお尋ねです。
かつて家族や地域が担っていた子育てに関する支え合いの機能は、大きく変化してきています。父母ともに働く保護者の増加等を背景に、学童クラブ需要は増加し続けてきました。さらに、保護者の就労時間が長くなったことや、放課後に安全で安心して過ごすことのできる居場所の提供の観点から、時間延長を望む声が増してきました。
こうした状況を踏まえ、区では、平成16年度から順次、職員配置やシフトを柔軟に組むことができる児童指導業務の民間委託を導入してまいりました。今後も学童クラブ利用者の延長利用の御要望におこたえするとともに、充実した保育を実施するために、全学童クラブに児童指導業務委託を導入していきたいと考えています。
その際、事業者にすべてをゆだねるのではなく、直営の児童館や子ども家庭支援センターの児童指導業務経験のある職員を中心に巡回指導を行うなどの助言・指導を行ってまいります。また、児童館、学童クラブの職員への実技研修や他の児童館や学童クラブでの体験研修などを継続し、委託学童クラブの職員の参加を促すなど、区が責任を持って事業者のサービスを向上させ、質の高い保育を提供できるよう努めてまいります。
次に、委託化による健全育成、保育の質の向上の評価についてのお尋ねです。
委託学童クラブにおいては、導入当初は課題もありましたが、事業者の創意工夫により、さまざまなサービスの向上が図られています。例えば定員を上回る状況の中で、手厚い職員配置により、公園や放課後子どもひろばへの外出の機会をふやし、思う存分体を動かせるような配慮をしているクラブもあります。また、塾等への外出や帰宅時間の管理について、児童の自主性を育てながら、きめ細やかな管理を行っています。
指定管理児童館における学童クラブの事業評価や、委託学童クラブの保護者や地域の代表の方々で構成する児童館運営協議会での評価も、すべての委託学童クラブで一定水準以上の評価を受けております。今後も利用者要望の事業への反映等もしっかりと確認しながら、サービスの向上に努めてまいります。
次に、直営のまま時間延長をすべきではないかとのお尋ねです。
直営の学童クラブの長期休業中等の利用時間を延長するためには、大幅なシフト勤務を組む必要がありますが、現行の職員数では手薄な時間帯ができてしまうため、対応が難しい状況です。
次に、職員の待遇改善のための委託費の引き上げについてのお尋ねです。
現在の委託費の予算は、常勤職員の人件費を区の勤続10年目の職員の給料表をベースとするなど、一定の水準に達していると認識しています。職員の勤続年数も安定しており、現段階では委託費の引き上げは考えておりませんが、今後とも適正な人件費による運営が図られるよう注視してまいります。
次に、委託事業者に対する労働環境モニタリングを実施すべきとのお尋ねです。
委託契約においては、モニタリング調査の内容に準じた事項に関して、労働環境チェックシートにより、事業者みずからが確認するとともに、区がその内容を確認し、必要な改善を求めることなどによって、適正な労働環境の確保を図っているところです。この取り組みは、平成22年7月から実施したもので、2,000万円以上の委託契約を対象としています。学童クラブ児童指導業務委託については、16所中15所が対象となっています。学童クラブに関して、改善指導に至ったものはありませんが、業務委託全体では5件の改善指導を行っており、一定の効果を上げているところです。今後も対象範囲の見直しを含め、この制度を充実させていく中で、委託契約における適正な労働環境の確保に努めてまいります。
◆8番(川村のりあき) 次に、学校図書館司書の全校配置について伺います。
学校図書館に司書を配置することは、PTAを初め学校関係者の切実な願いでした。私ども区議団は、これまで予算の修正案を含め、繰り返し要求し、またことしの第1回定例会では、先進的な取り組みを行っている荒川区の事例も示して、学校図書館司書の全校配置と支援体制の確立について提案をしてきたところです。
第二次実行計画素案では、学校図書館の充実として、2013年度から学校図書館司書を2校に1人、区立40校すべてに配置し、児童・生徒の不読者率を小学生5%以下、中学生20%以下にする目標を設定しています。さらに、2013年度は、図書購入費を各校30万円ずつ例年より上乗せすることで、図書の更新と充実を図る計画となっています。私どもの繰り返しの要求と現場の要望が第二次実行計画に取り入れられた点では大きな前進であり、評価できるものです。
しかし、「区長と話そうしんじゅくトーク」でも意見が出されたように、さらに充実した計画とする必要がありますので、以下、質問いたします。
質問の第1は、人員配置の充実と実施年度の前倒しについてです。
ことしの第1回定例会では、実施時期について、教育長が「来年度のモデル校における検証結果を踏まえて、学校図書館の効果的な運営策を検討し、平成24年度からの実現につなげていく」との答弁でした。さらに、今年度は、学校図書館資料のデータベース化が完了することになっており、来年度はこれらも活かして、図書を抜本的に整備することとあわせた学校図書館全体の充実を図るスタートの年でもあり、そうした意味からも、司書の全校配置の実施時期は2012年度からとすべきです。
人員配置については、2校に1人配置の計画となっていますが、荒川区の先進事例でも、司書を常駐化させることに大きな意味がありました。教育委員会として、学校図書館の司書のあり方についてはどのような形を目指しているのでしょうか。第二次実行計画においても、各校1人の常駐化とすべきと考えますが、いかがでしょうか。
質問の第2は、支援体制の確立についてです。
荒川区では、教育センターに学校図書館支援室を設置し、主任学校図書館指導員を置き、司書や教員の研修や連携の支援を行うことで、全体のレベルアップに大きな役割を果たしています。新宿区でも、単に司書の全校配置だけではなく、支援体制の確立が必要と考えますが、いかがでしょうか。
質問の第3は、司書教諭の発令についてです。
これまでも学校図書館や子どもの読書活動の議論の際、教育委員会は司書教諭の役割を強調してきました。司書教諭の発令については、法改正により、2003年度以降は12学級以上の学校には司書教諭を必ず置かなければならないとされているにもかかわらず、それが守られていない実態が続き、私どもも繰り返し改善を求めてきましたが、今年度も、なお早稲田小学校は区内最大の18学級でありながら、司書教諭は配置されていません。また、来年度新たに12学級以上になることが予想される学校もあり、学校図書館に司書を配置することとあわせて、来年度は必ず12学級以上の学校に司書教諭を置き、11学級以下の学校も配置を目指すべきと考えますが、いかがでしょうか。
第二次実行計画では、不読者率を小学校児童は1.4%、中学校生徒は7.2%の改善をするという、とりわけ中学校については高い目標が設定をされています。これを本当に実現するためにも、実施年度の前倒しと司書の常駐化、支援体制の確立は必要不可欠と考えますが、いかがでしょうか、お答えください。
質問の第4は、学校図書館へのパソコンの設置と新聞の設置についてです。
学校図書館は、読書活動とともに調べ学習でも大きな役割を果たしています。今日の調べ学習においては、パソコンでインターネットを使うことは当たり前になっています。さらに、新聞を使った学習も行われていますが、昨今は新聞離れが進み、新聞を購読していない家庭もふえていると聞きます。財団法人日本新聞販売協会は、希望する学校には6大紙を無償提供しています。現在それを活用しているのは小学校3校、中学校4校のみと聞いていますが、全校に新聞を設置し、学習に活用すべきです。学校図書館にパソコンと新聞を配置することについて、教育委員会の見解をお示しください。
◎教育長(石崎洋子) 学校図書館司書の全校配置について、まずその時期についてのお尋ねです。
学校図書館司書の全校配置に向けては、その方法や支援体制の検討が必要であり、人材の確保についても一定期間を要することから、実施時期については平成25年度からとしたものです。
次に、学校図書館の司書のあり方と各校1人の常駐化についてのお尋ねです。
現在、各学校には、地域の人材を活用した図書館スタッフが週一、二日程度配置されており、この取り組みは今後も継続を予定しています。今回の計画では、学校図書館司書を2校に1人配置し、教員や現行の図書館スタッフと連携しながら、学校図書館の充実を目指すものです。まずは、こうした取り組みを進めながら、取り組みの検証を行うことが必要であると考えています。
次に、支援体制の確立についてのお尋ねです。
研修については、新たに導入する蔵書管理と図書検索機能を有した学校図書館システムに関する研修を新設するとともに、中央図書館と連携した研修を行うなど充実を図ってまいります。今後の支援体制については、学校図書館運営を支援する教育支援課と中央図書館とがより一層連携を図っていくとともに、学校図書館司書の配置にあわせて、学校図書館の運営等を検討する委員会を立ち上げることを計画しています。
次に、司書教諭についてのお尋ねです。
これまでも学校図書館法等に基づき、12学級以上の学校に司書教諭を置くように努めてまいりました。今年度については、12学級以上ある学校13校中1校のみ、人事配置の事情により、置くことができませんでした。来年度については、12学級以上のすべての学校に司書教諭を置くことができるよう、東京都教育委員会に働きかけてまいります。また、11学級以下の学校についても、可能な限り司書教諭を置くことができるよう努めてまいります。
次に、中学生の不読者率の改善についてのお尋ねです。
平成21年度の中学生を対象にした読書についての調査結果では、本を読まなかった理由として、「読みたい本がなかったから」と回答した生徒が一番多い結果となりました。今後、各中学校に学校図書館司書を配置することで、生徒が興味・関心を示す図書購入を行うとともに、教育活動と連携した図書紹介や今日的な話題など、中学生の趣味や興味に応じたレファレンスが行える図書館づくりを進めてまいります。こうした取り組みを通して、読書活動への関心を高め、読書意欲を持続させることで、不読者率の改善を図ってまいります。
次に、学校図書館にパソコンと新聞を設置することについてのお尋ねです。
区立の小・中学校では、普通教室や学校図書館等において、インターネットを活用できるネットワーク環境の構築と学校図書館へのパソコンの設置が今年度中に完了します。今後は、このような環境を活かした多様な教育活動を進めてまいります。
新聞の設置については、新学習指導要領においても、言語活動の充実に関して、新聞の活用に触れていることから、今年度、新宿区新聞販売同業組合の協力を得て、希望する学校へ新聞の提供を始めました。提供を受けた学校では、授業での活用や、学校図書館や玄関への新聞コーナーの設置など、児童・生徒が新聞に親しむ環境をつくっていることから、教育委員会としては今後もこのような取り組みを進めてまいります。
◆8番(川村のりあき) 次に、高齢者・低所得者の住宅確保策等についてです。
11月6日朝に発生した大久保一丁目のアパート火災により、4名が亡くなられ、3名の方が重軽傷を負われました。亡くなった方の御冥福をお祈りするとともに、重症の2名の方の一日も早い御快癒をお祈り申し上げます。
当日は区役所に13人が避難し、特別区の厚生施設に一時入居した12人については、住宅相談で新しい住まいを確保してもらい、ケースワーカーを別途配置してフォローしていくと伺いました。引き続き丁寧な対応をお願いいたします。
火災に遭ったアパートの入居者22世帯23人中、19世帯19人が生活保護を受給していたことから、「都会の孤独、おそった炎」「孤独な老後、映す悲劇」などの見出しでマスコミでも大きく取り上げられました。保証人がいなくても入居可能なアパートで、身寄りのない孤独な高齢者が多く、死者の身元確認にも時間がかかるなど、無縁社会の厳しい実態があぶり出され、今回の事件を教訓とした対策が区に求められております。以下、質問いたします。
第1に、老朽化した共同住宅改善のための支援についてです。
火災に遭ったアパートは、築48年の建物で、火の回りが早く、大惨事となりました。老朽建物の耐火化やリフォーム、バリアフリー化等を進め、高齢者が安心して住める賃貸住宅を確保することを家主任せにしていたのでは、事態は前に進みません。行政の役割が問われています。
この点では、文京区の高齢者賃貸住宅登録事業が先例です。室内に浴室・トイレを設置し、浴室・トイレ・階段には手すりをつけることが条件で、この分については全額、それ以外の例えばトイレを洋式にするなどの任意部分は2分の1の工事費用が助成されます。上限は、専用部分が30万円、共用部分が100万円です。昨年度2棟の実績で、今年度は4棟の申し込みと聞きました。
新宿区でも、文京区を参考に、老朽化した共同住宅を高齢者が住みやすくリフォームすることを支援する制度を構築すべきと考えますが、いかがでしょうか。
第2に、家賃債務保証制度の改善についてです。
火災のあったアパートは、保証人なしで入居できるためか、近傍の家賃と比較して割高の物件でした。保証人問題は、家族の縁の薄い高齢者にとって、大きな壁です。そのため、新宿区も高齢者等入居支援事業で保証会社をあっせんし、保証料2年分助成を行っていますが、ことしの実績は2件しかありません。必要な方がもっと制度を利用できるように、保証会社の数をふやし、対象者も高齢者、障害者、ひとり親に限定しないで、低所得者にも広げ、助成期間も延長すべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、住宅課が行っているこの制度は、生活保護世帯の場合、条件が合致すれば、保証会社のあっせんを受け、費用は法内援護で受けられます。ホームページなどの入居支援事業の説明は、生活保護の方も同様の支援が受けられることを明記し、生活福祉課、保護担当課の職員に制度の活用を促し、第二分庁舎の1・2階に保証会社あっせんや保証料支援があることを掲示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
家賃債務保証制度が保障する内容は、滞納家賃、残存物処理、原状回復などが含まれています。無縁社会が広がる中で、特殊清掃、遺品整理の仕事に注目が集まっていますが、生活保護世帯の死後の住宅引き払い費用を法内の扶助費とするよう国に働きかけ、実現を迫るべきと考えます。
また、かねて要望しているように、区の家財処分費の支給は、今年度もわずか64万円しか予算計上されていませんが、大幅に拡大し、柔軟な対応を求めます。区長の御所見を伺います。
東京都防災・建築まちづくりセンターの「あんしん居住制度」は、見守りや入居者の死後の葬儀、残存家財の片づけ費用をあらかじめ預託しておく制度で、中央区では転居の際にこの制度を利用すると、利用料の半額を助成しています。高齢者入居促進に役立つ制度であり、新宿区も早急に検討し、助成を開始すべきと考えますが、いかがでしょうか。
第3に、公営住宅の増設と家賃助成についてです。
住宅に困窮している低所得者が一縷の望みを託しているのが都営、区営などの公営住宅です。しかし、現実は厳しく、特に都心区の単身者には極めて狭き門です。大震災前の2月の都営住宅の抽せん結果は、単身者向けが都内平均69.1倍、新宿では186倍の高倍率、シルバーピア単身向けも都内平均は83.4倍、区内の高いところでは186倍でした。10年、20年申し込んでも当たらないと嘆く高齢者の方がいらっしゃいます。都営住宅の増設を東京都に要望し、区営住宅をふやすことを改めて強く求めます。
また、早稲田南町の区営住宅は、空き家になっても募集していません。移転先の弁天町でも住戸数は同じなのですから、何も空き家にしておく必要はないはずです。来年5月には空き家募集すべきです。区長の答弁を求めます。
民間の住宅が充足しており、既存ストックを活用するというのがこの間の区の方針ですが、どんなにストックがあっても、手の届かない家賃だから、結果的に火災に遭ったような老朽アパートに住まわざるを得なかったのではありませんか。高齢者等に対して家賃助成をすることが、良好な既存ストック活用を促進すると考えるものですが、いかがでしょうか。
第4に、保護担当課の職員の増員についてです。
11月9日公表された7月の生活保護受給者数は約205万人で、敗戦直後の混乱期を超えて、過去最多となったことが報じられました。新宿区は、この傾向が最も顕著な自治体です。保護担当課が担当する受給者は、11月1日現在6,252人で、職員は61人と伺いました。ケースワーカー1人当たりの担当は平均100人を超えており、中には120人も担当している職員がいると伺いました。社会福祉事業法では、ケースワーカー1人当たり担当は80ケースが標準です。法改正で法定から標準になったとはいえ、80ケースは重要な指標です。新宿区の現状は平均でこれを28%も超え、人によっては1.5倍ですから、早急に職員の増員が必要です。
また、第二分庁舎の保護担当課の部屋は、既に満杯状態であり、スペースの拡大も必要です。区長は、この問題にどのように対応されるのかお答えください。
◎区長(中山弘子) 高齢者・低所得者の住宅確保策等についてのお尋ねです。
初めに、老朽化した共同住宅改善のための支援についてのお尋ねです。
区では、新宿区リフォーム協議会と連携した住宅修繕工事等業者あっせんや、東京都建築士事務所協会新宿支部と連携した「安全安心・建築なんでも相談会」により、共同住宅を含む住宅改修を支援しています。また、賃貸住宅の所有者には、住宅改修に当たり、新宿区中小企業向け制度融資による融資あっせんを行っています。さらに、身体機能に一定の低下が見られる高齢の入居者には、自立支援住宅改修や住宅設備改修費助成など、さまざまな事業を行っています。したがって、老朽化した共同住宅のリフォームの支援制度については実施する考えはありません。
次に、家賃債務保証制度の改善についてのお尋ねです。
区では、家賃債務保証制度として、高齢者等入居支援事業を実施しています。この事業は、保証人が見つからないために民間賃貸住宅への入居が困難な高齢者世帯等の入居を支援するため、区と協定を結んだ保証会社を紹介し、保証料を助成するものです。今年度については、新たに保証会社1社と協定を結び、取り扱い保証会社を2社とする事業の改善を行いました。
この事業は、高齢者世帯等の入居を支援するためのものであり、低所得者一般を対象とする考えはありませんが、来年度については助成対象者の年齢を引き下げることにより、対象範囲を拡大することを検討しております。また、この事業は、新たな入居を支援するものであることから、助成期間については、現行制度のとおり実施してまいります。
次に、生活保護世帯の方への保証会社あっせんの周知に対するお尋ねです。
高齢者等入居支援事業の利用の拡大を図るためには、より多くの方に事業内容を知っていただくことが重要です。お尋ねの生活保護世帯に対する保証会社のあっせんについては、庁舎内で連携して実施しておりますが、さらに周知を図るため、区のホームページ等へ掲載いたします。また、庁舎内にポスターなどを掲示いたします。
次に、生活保護世帯の死後の住宅引き取り費用と区の家財処分費についてのお尋ねです。
まず、死後の住宅引き払いに伴う原状回復費用ですが、現在の生活保護基準の中で、この費用の仕組みはありませんが、実際に家主等が敷金等では賄い切れず、お困りになっている事例もあります。そのため、単身の被保護者が死亡した場合の原状回復費用を葬祭扶助として支給できるよう、東京都を通じて国に改正意見の要望を上げています。
次に、区の家財処分費についてですが、国の保護基準が改正に至らない現状から、国制度を補完するために、区の単独事業として家財の処分経費を家主等に支給しているものです。また、平成18年度以降の実績では、予算の範囲内で対応ができていますので、予算額の拡充は考えておりません。
次に、あんしん居住制度に対する助成についてのお尋ねです。
区では、貸し主・借り主双方の不安を解消することが、高齢者の入居促進にとって重要と考えております。このため、賃貸住宅への入居に当たり、財団法人東京都防災・建築まちづくりセンターのあんしん居住制度のうち、安否確認や緊急時の対応を行う「見守りサービス」を利用したひとり暮らしの60歳以上の方に対して、費用の一部を助成する事業を来年度の実施に向けて現在検討中です。
次に、公営住宅の増設と家賃助成についてです。
まず、公営住宅の増設についてのお尋ねです。
都営住宅については、現在のところ東京都は供給管理戸数を抑制し、新規建設を行わないこととしていることから、区として都営住宅の増設を要望することは考えておりませんが、区内で建てかえを行う際には、増戸などの要望を行ってまいります。区営住宅については、区が管理する公営住宅の総戸数及び世帯数に対する割合は、特別区の中で上位にあることから、区営住宅の増設は行わず、今ある区立住宅ストックを有効に活用してまいります。
次に、早稲田南町地区の区営住宅の空き家募集についてのお尋ねです。
早稲田南町地区の区営住宅の再編整備は、老朽化が進んでいる早稲田南町アパート、早稲田南町第2アパート、早稲田南町第3アパートを対象とするものです。これらの住宅について、近隣に位置する弁天町国有地を取得し、平成27年度当初に建てかえ、移転を予定しています。現在、この3住宅には、8戸の空き家があります。これらの空き家に入居いただいても、短期間のうちに再び移転することになり、居住環境の変化や移転作業などの負担が大きいため、空き家募集は現在考えておりません。
次に、高齢者等に対する家賃助成が民間住宅の良好な既存ストックを促進するという考えについてのお尋ねです。
区では、貸し主の不安を解消し、高齢者等の入居を促進するため、安否確認や緊急時の対応を行う見守りサービスを利用した方への助成事業を検討しております。また、住みかえ居住継続支援や住宅相談などの入居支援事業も行っております。高齢者等に対する家賃助成については実施する考えはありませんが、さまざまな入居支援事業を通じて、民間の良好な既存ストックの活用が図られていると考えます。
次に、保護担当課の職員の増員についてのお尋ねです。
11月1日現在で保護担当課のケースワーカー1人当たりの担当数は平均102.5世帯となっています。平成20年度以降、急増する被保護者に対するケースワーカーの配置については、23区の平均担当ケース数を上回らないことを基準に、これまでも増員を図ってきたところです。さらに、自立支援員等の専門非常勤職員の増員を図り、被保護者のための適切な支援を補助することで、ケースワーク業務の補完・支援に努めております。
また、保護担当課の執務スペースについては、平成24年4月には拡大する方向で現在検討を進めております。
◆8番(川村のりあき) 最後に、防災対策について伺います。
現在、新宿区では防災計画の見直しが行われていますが、今年度は要援護者対策を中心に行い、本格的な防災計画の見直しは、東京都の新たな地震規模と被害想定のもと、見直しが行われるとしています。東京都防災会議の地震部会では、今後想定対象とすべき地震として、従来の2つの首都直下型地震に加え、海溝型地震の関東地震と断層型地震の立川断層帯地震を挙げ、海溝型の関東地震を想定目標に加えたことにより、これまで想定していなかった津波被害や長周期地震動被害を被害想定項目に列挙しています。こうした流れからすれば、地震規模や被害想定が大きくなる方向は間違いがなく、第二次実行計画では、従来の事業を飛躍させる必要があります。
まず、耐震化率を引き上げるため、抜本的な助成増額や高齢者・障害者世帯への上乗せ、部分改修を対象にするなど、費用負担軽減を図ることが必要と考えますが、御所見を伺います。
また、その際、東京都に対し、静岡県が行っているように、全都的な制度構築と積極的な財政支援をすることを求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
がけや擁壁については、改修工事費助成15件をすることになっていますが、これでは余りにも目標が低過ぎます。震度5弱の地震で区内の被害がこれだけ起こったのですから、改修工事費助成件数については、抜本的に高い目標を掲げるべきと考えますが、御所見を伺います。
次に、災害情報システムについてです。
第二次実行計画素案では、災害情報システムの再構築として、第一次整備、第二次整備として、3億2,000万円の総事業費で事業を行う計画となっています。どのような内容になり、どう見積もられているのかお示しください。
この10月に総務区民委員会が視察した西宮市情報センターでは、現在200の地方公共団体が試験的、または本格的な導入がされている、西宮市が開発した被災者支援システムの説明がありました。これは阪神・淡路大震災で被災した西宮市が、市民への義援金の配付やり災証明の発行、その後、避難所や仮設住宅関連、犠牲者遺族関連など、復興に向けて展開される業務を支援するために、新たな機能を順次開発し、被災時から復興に至る情報の収集、分析、活用を一貫して支援するシステムとして構築したとのことで、他市に比べ、復興の速度を速める上で大きな役割を発揮したとのことです。
住民基本台帳を基礎にしたこのシステムは、当然、要援護者対策や帰宅困難者対策にも大きな力を発揮する可能性を持っています。既に東日本大震災で被災した自治体の中でも、一部の運用が始まり、2009年1月17日に総務省から被災者支援システムバージョン2.0として、全国の自治体に無料で配付されています。コスト的にも低廉で、実践的に検証されている被災者支援システムの導入について、新宿区でも検討すべきと考えますが、いかがですか。
現在、小・中学校全校にメール配信システムが構築されており、震災時に学校からメールが来て、「子どものことが心配だったが、すぐにメールが来て様子がわかり安心した」と保護者の皆さんから歓迎の意見が寄せられていました。ただ、幼稚園、子ども園、保育園には、現在こうしたシステムがありません。保護者の皆さんからも要望が強いメール配信システムを幼稚園、子ども園、保育園に導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。
最後に、原子力災害対策についてです。
1999年9月30日に茨城県東海村にあるウラン加工施設において臨界事故が発生し、我が国で初めて原子力災害による住民の避難や屋内退避が必要となりました。この事故を教訓に、原子力災害対策特別措置法が1999年に制定され、国、地方公共団体及び関係機関において、原子力災害に対する対策の抜本的な強化を図ることになりました。
しかし、東京都地域防災計画原子力災害編では、都内には原子力施設が存在せず、また国の原子力安全委員会が定めた原子力施設に関して、防災対策を重点に充実すべき地域の範囲・EPZ(半径8から10キロメートル)に含まれていないとして、この計画では、都民の不要な混乱を防止することが目的となっています。したがって、具体的な対策はなく、東京は安全だという論が展開されており、まさに安全神話そのものです。
しかし、福島第一原発事故で、区民を取り巻く情勢は一変しました。現在、区では、放射線量の測定とともに、0.23マイクロシーベルト毎時を超えれば除染の対象とするなど、新たな対応が始まっています。さらに、東京は、福島第一原発からは約230キロメートルの地点ですが、浜岡原発からは約180キロメートルにあり、もし東海地震によって、浜岡原発にチェルノブイリ原発事故に匹敵する大事故が起これば、風向きによっては、東京に深刻な放射能汚染が及ぶことは確実です。したがって、東京都に対し東京都地域防災計画の原子力災害編を見直すことを求めるべきと思いますが、いかがですか。
さらに、区の地域防災計画の中にも、福島第一原発の事故の教訓をくみ出し、原子力災害編を策定すべきと思いますが、いかがですか。
また、原子力災害の根絶を目指し、原子力発電ゼロを目指すべきと思いますが、区長のお考えをお示しください。
◎区長(中山弘子) 防災対策についてのお尋ねです。
初めに、耐震化率を引き上げるため、費用負担軽減を図る必要があるとのことについてです。
私は、いつ起きてもおかしくない首都直下地震に対する時間との競争の中で、「逃げないですむまちづくり」を目指し、建築物等耐震化支援事業に積極的に取り組んできました。建築物の耐震化は、それぞれの建築物の所有者がみずからの責務として取り組むことが基本であると考えておりますが、区民の生命・財産を守るため、木造住宅等の耐震改修工事では、補助率3分の2で最大300万円の助成を行っているなど、他の地方公共団体に比べても手厚い助成を行っています。このため、助成金額の増額については、現在のところ考えておりません。
部分改修工事については、建物全体の補強ではなく、部屋ごとの部分的な補強である耐震シェルターや、就寝中の安全な空間を確保する耐震ベッドの設置、建物全体の部分的・簡易的な補強である簡易耐震補強工事への助成を行っています。
高齢者・障害者世帯への上乗せ助成については、災害時の避難が困難と思われる方が居住する建物の安全性を確保することは重要であると認識しており、これまでも一般の世帯よりも手厚く助成を行っております。現在、モデル地区事業を含む実績等を踏まえながら、耐震化支援事業の課題を検証する中で総合的に検討しています。
次に、東京都に対し全都的な制度構築と積極的に財政支援を求めるべきとのお尋ねです。
東京都では、現在、耐震に係る経費について、助成を行った区市町村に対して、その一部を補助しています。東京都の補助対象区域や要件が限定されているため、事業の拡充等について検討するよう、東京都耐震改修行政連絡協議会等を通じて、今後とも東京都に働きかけてまいります。
次に、第二次実行計画でがけや擁壁に対する改修工事費助成の目標が15件となっているが、もっと高い目標を掲げるべきではないかとのお尋ねです。
第二次実行計画における擁壁・がけ改修等支援事業では、改修工事費助成の目標について、事業を立ち上げる当初の2年間を除き、各年度5件を想定し、4年間で15件を計画しています。区内には、高さが1.5メートル以上の擁壁が約3,500件ありますが、改修工事費助成の対象を「崩壊や転倒した際に生命・財産に大きな危害を及ぼすおそれのある擁壁」及び「大規模な災害時の避難や救助活動に重要な道路に近接する擁壁」に重点化したことで、助成対象となり得る件数は約100件と想定しました。
事業期間については、擁壁改修工事が建築物の建てかえと同時に施工することが効率的であるため、建てかえが想定される今後20年間に合わせたことから、各年度の目標件数は5件と設定しています。今後事業を進める中で、改修工事費助成の申請が事業の目標を超えることが想定される場合には、実行計画のローリングにおいて見直していきたいと考えております。
次に、災害情報システムの再構築の内容についてのお尋ねです。
新宿区では、平成19年度より防災行政無線のデジタル化に取り組んでおり、平成23年度末には同報系防災無線のデジタル化更新工事が終了し、デジタル防災無線の整備が完了するところです。
東日本大震災においては、帰宅困難者に対する迅速な情報提供が大きな課題となりました。また、初動態勢の強化が必要であると認識をしております。このため、平成24年度からの第二次実行計画では、駅前滞留者や帰宅困難者への情報提供手段の整備を行うとともに、区内の被害状況や災害応急活動の状況を把握し、迅速かつ的確な判断・指示を行うための災害情報収集・処理システムを再構築していきます。
まず、平成24年度に第一次整備として、駅前滞留者への情報提供を行うため、新宿駅周辺防災対策協議会メンバーへの防災ラジオの配備、本年度にJR新宿駅東口広場に設置する防災用屋外スピーカーや大型ビジョンによる情報提供の仕組みづくり、またJR新宿駅東口に震災時の状況把握を行うための高所カメラの設置等で約7,500万円を見込んでおります。
平成25年度では、第二次整備として、迅速な情報収集と的確な指示を行うため、災害医療活動拠点となる保健センターや、障害物除去、瓦れき処理などの活動拠点となる公園・工事事務所等への災害情報システム端末の配備及び避難所や地域情報の収集伝達を行うため、避難所へのデジタル防災無線と連動した簡易情報収集端末の設置等に約2億4,400万円を見込んでいます。
次に、被災者支援システムについてのお尋ねです。
御指摘の西宮市が構築した被災者支援システムは、無償で公開・頒布されており、り災者証明の発行とその後の被災者支援に関しては、すぐれたシステムと言えます。しかし、り災証明発行のための建物被害認定調査及び調査結果のデータ化、被災者台帳作成までの過程については自動処理ができず、また新宿区の実情に合わせるためのカスタマイズが必要となるなどの課題があります。
このため、新宿区では、だれでも建物被害認定調査ができ、建物被害認定調査票からスキャナー読み込みにより、被災台帳を作成し、り災証明の発行までを自動化して、大幅に時間が短縮できる被災者支援システムを導入していくことが必要と考えています。こうした考えに基づき、新宿区の実情に合った被災者支援システムの早急な導入に向けた検討を進めてまいります。
次に、保育園、子ども園へのメール配信システムの導入についてのお尋ねです。
保育園、子ども園は、児童が1人で登下校等する小学校等とは異なり、必ず保護者の送り迎えがあり、災害時であっても保護者がお迎えに来るまで責任を持ってお預かりする施設です。本年3月11日の東日本大震災のときには、区ホームページのトップページに「区立保育園でお預かりしているお子さんについては、保護者の方がお迎えに来られるまで、各保育園で職員がお預かりしている」旨掲載し、全園児を無事、保護者に引き渡すことができました。
こうした対応を今後も基本としますので、保育園、子ども園では、施設の性格や職員体制、費用対効果などから、メール配信システムの導入は考えておりませんが、今年度開設した区公式ツイッターなどの活用により、保護者の方々への情報提供の充実を図ってまいります。
次に、東京都に対して地域防災計画原子力災害編の見直しを求めるべきであり、区の地域防災計画にも原子力災害編を策定すべきとのお尋ねです。
今回の福島第一原子力発電所事故を踏まえ、11月25日に発表された東京都防災対応指針では、放射能物質等による影響の対策の推進を掲げ、国による抜本的な対策の強化と都独自の施策の実施による都民の不安の払拭と安全の確保についての体制整備を構築していくこととしています。区としても、今回の経験を踏まえ、地域防災計画原子力災害編についても、必要な見直しを行うよう都に求めてまいります。
なお、新宿区地域防災計画の原子力災害編の策定については、今後の国や東京都の動向を見据えながら、的確に策定等対応してまいります。
次に、原子力災害の根絶を目指し、原子力発電ゼロを目指すべきとのお尋ねです。
このたびの原発事故により、放射能汚染に対する不安や心配など、区民を取り巻く状況は一変しました。現状のままで原子力発電所の運転を続けていくことは適切とは言えません。電力を原子力に大きく依存する体制から脱却する必要があると考えております。ことしの夏は、電力の供給力不足が生じ、区民の皆さんの生活へ大きな影響を与えました。現在では、原子力発電にかわり、火力発電が増強されるなど、電力事情は好転していますが、地球温暖化対策の観点からは好ましくない面もあります。そのため、徹底した省エネ対策を行うとともに、必要以上にエネルギーを使わない社会にしていかなければならないと考えています。
震災の復興が進む中、今後のエネルギー政策について、さまざまな提案がなされています。一方、省エネ機器や自然エネルギー、あるいは火力発電所についても、新しい技術が開発されてきています。こうした状況も踏まえて、専門家、関係者、住民の代表などによる真摯な議論を通じ、国民全体での議論を深め、エネルギー政策を考えていくことが大変重要であると考えております。
◎教育長(石崎洋子) 教育委員会への御質問にお答えします。
メール配信システムの幼稚園への導入についてのお尋ねです。
一斉メール配信システムについては、平成21年度に整備した校務支援システムの一部として、小学校及び中学校に導入しました。幼稚園における導入については、システム環境が小学校及び中学校とは異なるなど、運用上の課題があります。今後は、幼稚園への導入の必要性や手法などについて、幼稚園現場の意見を聞きながら検討してまいります。
以上で答弁を終わります。
◆8番(川村のりあき) 御答弁いただきましてありがとうございました。前向きの答弁もありましたし、また認識がちょっと違うかなという部分もございました。また、機をとらえて質問させていただきたいと思います。
2点ございまして、一つは、食品の放射線量測定器については、消費者庁のほうから借りるということで、今、そういう方針の中で対応されているということですけれども、御存じのように、都費だけではなくて、今度、事務連絡で文部科学省のほうから給食についてということですけれども、東京都教育委員会に事務連絡で助成についての枠組みの連絡がございましたし、ぜひ一歩足を踏み出していただきたいというふうに思っております。
あと、全園子ども園化の問題についてなんですけれども、区民、利用者の方へ説明してきているというふうなお話ではありましたけれども、私は十分ではないというふうに思っております。質問ではちょっと触れられませんでしたけれども、単独の区立保育園に中・短時間の方を受け入れるということでの詰め込みということも、これから私どもも内容をよく検討してまいりたいというふうに思っておりますし、また株式会社のお話も出ましたので、そうした点も含めて、私どももよく保護者、あるいは子どもたちのよりよい成長という立場から提案、提言してまいりたいというふうに思っております。
これで私の質問を終わらせていただきたいと思います。御清聴いただきましてまことにありがとうございました。(拍手)